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2018.01.07

保護者のピアノ経験をお子さんに生かすために

こんにちは。

ここのところ、寒さが一段と厳しくなってきましたね。

 

お子さんにピアノを習わせるご家庭の保護者の中には、ご自分もピアノをお弾きになった経験のある方がたくさんいらっしゃいます。

私がうかがった限りでも、「中学校の時、合唱の伴奏を弾きました」という方もいらっしゃいましたし、逆に「私は小学校の間ずっと習っていたのですが、好きではなくて上達しませんでした。」という方もいらっしゃいました。

お子さんにとって保護者の方が経験者であるということは、とてもありがたいことです。

まず、多くの場合、身近に音楽に親しむ環境が既にあるということです。例えば、ピアノ演奏のCDがあったり、お父さまやお母さまがかつて弾いた楽譜があったり。これはどんな曲なのかな?と興味関心を持つきっかけになります。

2つ目にはお子さんのピアノのサポートができるということです。特に、お子さんが小さいうちは、先生のところで習ってきたはずなのに、家に帰るとよくわからなくなっている、ということもよくあります。

そういうときに、ご家庭の中で教えてあげることができます。

また、レッスンの様子を見ていて、このリズム打ちがよくできないな、ということに気づくことができて、お家で練習の回数を増やすこともできます。

 

一方、「親」の立場でお子さんにアドバイスをする時には、親子ならではの難しさがあります。

1つは、先生の意図とお父さまお母さまのかつて学んだ経験との間にずれがある時。音符の読み方やリズムなどは、そう違うわけではありませんが、手の使い方、姿勢、教本の進め方などは、教える側にも、教わる側にも個人差が出てくるところです。

私の場合は、レッスンを見ていて、何か疑問に思った時には、ぜひ意図を聞いていただきたいと思います。特に、ロシアの奏法は、日本での一般的な奏法と異なる部分があるので、遠慮なく質問していただきたいと思います。

もう1つは、成長してきたら(個人差もありますが、小学校の4・5年生くらいからでしょうか)、お子さんがアドバイスをいやがるようになってくる場合が多い、ということです。その時には、「聞かれたら答える」というスタンスに徹するということが大切です。

私の場合は、ピアノではないのですが、やはり経験があります。中学校に入ったとたん、息子が作文を全く見せなくなりました。

夏休みの宿題は、封筒があって夏休み中でも提出できるシステムだったらしいのですが、ある日「宿題の作文は?」と聞くと「もう提出した。そろそろお母さんに聞かれると思ったから。見せると何か言われるし。」と言われました。

高校2年生くらいから、書いたものに対してまた意見を聞かれるようになりましたから、自分がそれなりに自立した実感が持てるまでは、距離を置きたいものなのだな、ということの良い経験になりました。

親としては、「こうすればもっと上達するのに」という思いで言いたくなるのですが、そこはお子さんの成長の過程ということでぜひ見守っていきましょう。

逆に経験者のお父さまお母さまであれば、お子さんのレッスンをきっかけにご自身がまたピアノを弾かれると、お子さんにとっても良い影響が出てくると思います。