次に弾く音の準備をする
こんにちは。
六十代で、レッスンに来ていらっしゃる女性の生徒さんがいます。
「息子も娘も習っていて、いつか私もと思っていて…」ということで、「いつか」を実現なさいました。
そろそろ1年になります。
お仕事がお忙しい中、まずはレッスンに来る時間の確保から。
次には、ご家族との折り合いをつけて練習できるようにすること。
仕事を持ち、主婦でもあり、畑もおやりになっている。
そんな中でピアノを続けていくため、一つずつ環境を整えていらっしゃいました。
1年経って、指も慣れてきました。
今は、クリスマス会に向けて、ベートーベンの「悲愴」第2楽章のハ長調編曲版を練習中です。
まず、右手から。2分音符が続きます。
最初は、スムーズにいきませんでした。
2拍、のばして、次にいこうとすると拍子に間に合わない。
ふしぎなことに、4分音符で動くところは、かたまりとして頭に入っているようで、そちらのほうがずっとスムーズです。
そこで、前の音を弾いたら、すぐに次の音符を見て、指を準備しておく、ということをお話ししました。
もう一つ、その手順が間に合うように、今よりも、もっとゆっくり弾くこと。
それを心がけましょう、ということで実際に始めてみました。
今度は、ずっと滑らかになりました。
その上で、できるだけ、次の音のイメージが頭の中に入るように、何回も練習します。
まず4小節。
できるようになったら8小節。
これをくりかえしました。
「脳トレになります。」とおっしゃりながら、音符→指遣い→鍵盤の流れを意識できるようになってきました。
だんだん上手に弾けるようになっていきます。
「また、練習してきます。」とおっしゃって、帰っていかれました。
1年、毎日の積み重ねで上達していきます。
自分の指で音を出すことの楽しさ。
それから、新しいことにチャレンジして、それが出来ていくことの楽しさ。
それは、年齢に関係ありません。
人生の先輩のチャレンジする姿勢に敬意を持ちつつ、私もレッスンに臨んでいます。