2019.05.10
ピアノを両手で弾く―最初はとてもゆっくりしたテンポで
ピアノを両手で弾くことに苦戦していた生徒さんたちも、だんだん慣れてきました。今日は、片手ずつ弾けるようになった次の段階、両手で合わせる時のコツを書いていきます。
とてもゆっくりしたテンポでタイミングを確認
譜読みの片手ずつは弾けるようになった。さあ、次は両手を使って弾くという時は、とにかくとてもゆっくりしたテンポから合わせていくことが大切です。
左右の手が一緒に動くところはどこなのか。別々に動くところはどこなのか。拍子やリズムは正確にできているか。正しい音が出せているか。
そこを確認しながら、ゆっくりゆっくり練習していきます。この段階の目標は、「タイミング」と「正確に」という点です。左右の手が違うことをするわけですから、タイミングを意識的に考えることはとても大切です。
その練習をくり返しているうちに、だんだんと「考える」が減っていき、手や指がタイミングを覚えてくれて、自然にできるようになっていきます。
メトロノームを使ってとてもゆっくりしたテンポで練習
ある程度、弾けるようになったと感じたら、「メトロノームを使って」その「とてもゆっくりした」テンポで弾いてみます。
この段階の目標は、「拍子感」と「テンポ感」です。自分だけで数えていると、弾きにくい部分はゆっくりに、弾きやすい部分は速くなりがちです。ゆっくりしたテンポでも、確実に同じ速さで弾けるようにすることを目指します。
この時に、遅れてしまう部分があったら、そこだけ取り出して部分練習をしましょう。そこは、まだ弾きにくい部分だからです。
この段階で大切なことは、間違えずに弾けるくらいゆっくりしたテンポから始める、ということです。
弾けるようになったら、だんだんテンポを上げていく
ゆっくりしたテンポで間違えずに弾けるようになったら、今度はだんだんテンポを上げていきます。
メトロノームで2ずつ上げていきましょう。もし、つかえたり間違ったりするようだったら、正しく弾けるテンポまで戻します。
テンポを戻したのに、間違える部分があれば、取り出して部分練習をします。まだ、手や指がしっかり覚えていない部分だからです。
最初はゆっくり
「最初はゆっくり」というのが、なかなか難しいかもしれません。というのは、どうしても完成した形を頭の中に思い浮かべてしまうからです。
でも、「確実に弾けている」状態を脳に記憶させるために、「間違えて弾き直す」ということはできるだけ避けていきたいのです。
昨日の生徒さんも、ある曲を4分音符がメトロノーム105の速さでだいたい弾けるようになっていました。ただ、前回のレッスンで弾けていなかった部分があって、今回もそこにくると弾き直していました。
いくつだったらできるのか、確認してみたら、70のテンポなら間違えずに弾けています。70で練習を何回かして、そこからテンポを上げていきましょう、というお話をしました。
今は、アプリでメトロノームがありますから、すぐ手に入れて実行できます。写真の私のメトロノームは980円でしたが、十分な機能があります。「最初はとにかくゆっくり」から、ぜひ始めてみてください。