ピアノ教室

小学生の生徒さんの「やる気パワー」

こんにちは。

冬将軍は少し遠のいているのでしょうか、寒さがゆるんで少しほっとできますね。

 

子どもさんの「やる気パワー」にはいつも感心させられます。

中学校に勤めていたときもそうでした。特に合唱コンクールや体育祭などの行事。

時々、本当にこれができあがるのかな?と担任としては不安に思うほど、大きな企画を立てることもありました。

でも自分達で立てた企画です。

とにかくやる気がすごい。そして最終的に驚くほどのものを作り上げていく。

毎回、そのパワーに感動していました。

 

昨日、レッスンに来た小学生。卒業式の合唱伴奏者のオーディションを受けるとのことで、楽譜をもらい、自力で譜読みをして、練習してきました。

最初から最後まで、ほぼテンポを変えることなく、通して弾けるところまで練習してきたことに、まず感心しました。「やる気パワー」全開です。本当に頑張ったのだということがわかりました。

 

次に感心もし、またうれしく思ったのは、今までのレッスンで学んだことを、しっかり生かしながら譜読みをしていたことです。

伴奏は独奏と違って歌と合わせて1つの音楽を作っていきます。前回、他の曲で伴奏のレッスンをしたとき、その話をしました。

歌詞を読んで、どこに曲の山があるか。息継ぎはどこにあるか、ソプラノとアルトはどんなメロディーを歌っているか。

そこに気を配ると演奏は変わってきます。歌う人に必ず知らせなくてはいけない音も見えてきます。

伴奏譜には息継ぎの印が入っていて、それを意識していることがよく分かりました。

また、ノクターンの譜読みの時に話したバスの音程の変化。そこにも気を配り、ここは半音下がる、ここは一音下がる、と考えながら譜読みをしていました。

 

オクターブの連続や、三連符のアルペジオなど、難しいところをどう練習したらよいかということを中心にレッスンしましたが、他の曲の時に学んだことがこれだけ生かせると、進歩も早くなります。

まだ、オーディションまでには少し日にちがあるそうです。「やる気パワー」全開の生徒さん。どんな仕上がりになるのか、とても楽しみです。

2018.01.18

「三歩進んで二歩下がる」でも進みます

こんにちは。

新しいことを始めて、本当にこの方向で良いのか、上達していくのか不安になることはありますよね。

ピアノを始めるとき。

今は多くの動画をスマホやパソコンを通して視聴することができ、「ピアノを始めれば、自分もこんなふうに弾けるかもしれない」と思って始めます。

でも、音符の読み方、指の使い方、ちょっと進むと右手と左手は別の動き。最初はなかなか思うようには進みません。

そこで続けられるかどうか、あるいは目の前の課題を一つ一つクリアできるかどうかが大きな鍵になってきます。

先日の女性の生徒さんも「三歩進んで二歩下がる、みたいな感じでも、やっていれば進みますね。」と言っていましたが、最初はそんな感じかもしれません。

一つ一つの小さな一歩の積み重ねが、「弾けるようになる」という成果につながっていきます。

 

奏法を変える時も同じです。

響きのある音で弾きたい。

最初は耳で聞き分けらること自体が大きな課題になります。肩・ひじの使い方、手の置き方、指の動かし方。

出来たと思ったのにまた元に戻っている、ということはよくあります。

本当に最初は「三歩進んで二歩下がる」という感じですが、そこで一つ一つ、その都度その都度修正を重ねていくことが重要です。

昨日は、サロンコンサートにちょうど良い広さのスペースで、ピアノを弾く機会がありました。私がお願いしている調律師さんをご紹介した関係で、状態を知るために弾いてみたのです。

ピアノの状態があまり良いとは言えず、調整してもらっている途中の楽器です。

以前は、楽器に左右されて身体の使い方が変わってしまう不安があったのですが、今は自分の感覚に確信を持って弾けるようになった、と改めて実感しました。

 

ピアノを始めても、あるいは奏法をかえてみても、最初はなかなか進まないと思うかもしれません。でも、続けていくと必ず上達します、進歩します。

ある一点を過ぎると、進歩の度合いが大きくなっていきます。あきらめずに地道に続けていくこと、自分が目指す方向を忘れないことが大切です。

定期的にレッスンを受けることの意味

こんにちは。

今日は曇り空で寒々していますね。

 

定期的にピアノのレッスンを受けることには、どんな意味があるでしょうか?

お子さんの場合には、必ず定期的に来ていただくようにしていますし、大人の方にも出来るだけそのようにお願いしています。

定期的にレッスンにいらっしゃることで、より良い感覚を、定期的に「体感することができる」のが最大の理由です。

耳でより良い響きをとらえる感覚。そのための身体の使い方の感覚。

言葉だけではなかなか分からない、この感覚。

特に初めの頃は、レッスンの時に、自分でつかめたと思っていても、自宅に帰ると感覚が変わってしまう。あるいは、自分で覚えて帰った感覚が、本来のものと少し違っている。そういうことがよくあります。

少しの違いでも、練習していくうちに、それが大きくなっていきます。

1~2週間ごとにそのずれを調整していけば、より良い感覚が、身につきやすくなるのです。

 

大人の女性の生徒さん。お仕事もしっかりやっていらっしゃって、お家では家事だけでなく畑も、さらに合唱のサークルに入って…と多くのことに積極的で、とても前向きな、活動的な方です。

お忙しいことと、曜日・時間を固定しないチケット制レッスンだったこと、また私のほうも父の葬儀などがあったため、せっかくお始めになったのですが、10月11月はなかなかレッスンができませんでした。

12月からは、曜日と時間がだいたい定まってきて、1~2週間に一度のペースでレッスンにお出でになっています。

大きく変わってきたのが、音をとらえる感覚と脱力の感覚です。

意外に脱力は難しいのですが、ご自分でも「力が入っていますね。」「固くなっていますね。」とお分かりになるようになってきました。

やはり、定期的に通っていらっしゃるからこそ、その感覚を、より早く身につけることができるようになります。これは子どもの生徒さんも同じですね。

 

庭の水仙が花をつけました。この水仙、とても早くから咲いてくれて、香りがいいのでお気に入りです。ちょっと混み合ってきたので、この夏は植え替え時かもしれません。

 

 

2018.01.14

表現することを楽しもう

こんにちは。

昨日、この辺りは今年一番の冷え込みでした。

でも、空気がとても澄んでいて、朝、自転車に乗っていたら、群馬の山々がとても美しく見えましたので、思わず写真を撮ってしまいました。ただ、写真だと、遠くにかすかに見えるかな?くらいになってしまいました。ちょっと残念。

逆に、人間の目はすごいなあ、と思います。すべてくっきりと見えるのですから。

 

さて、皆さんは、どうしてピアノのレッスンを受けようと考えた(考えている)のでしょうか?

私のところに来ている生徒さんもいろいろです。

・この曲が弾きたいという具体的な曲がある。

・お母さんの影響で、楽器に触れているうちにやりたくなった。

・お友達の影響で。

・保護者の方が習わせてあげたいと思った。

などなど。

私自身を振り返ると、当時ヤマハのオルガン教室が始まったころで、お友達は幼稚園で習っていたけれど、妹がいるから親は送り迎えができない。だから歩いていける近所のピアノの先生の所に通うようになった。という理由です。

小さい頃だったので、自分が行きたいと言ったのか、母が習わせたいと思ったのか、その辺りもあまりよく覚えてはいません。

でも、習い始めてみると、とても楽しくて魅力的で、ずっと続けて現在に至っているわけですが、何か大きなきっかけがなくても、始めてみると楽しかった、ということはありますよね。

みんながみんな、プロのピアニストを目指してピアノを始めるわけではありません。

ただ、音楽に親しみ、音楽を楽しむ経験を積むことは、人生をとても豊かにしてくれると思うのです。表現する経験を経ると、同じ演奏を聴くのでも聴き方が変わってきます。

あまりかまえずに、迷っている方は、ぜひ、習い始めてはいかがでしょうか。また、今、レッスンに行かれている方は、ぜひ「音楽を感じて、表現することを楽しむ」意識をもってほしいと思います。

ピアノを通して音楽を楽しみ、豊かな人生にするためには、そこが大切だと思うからです。

 

2018.01.12

表現する気持ちを持って弾く

こんにちは。

これからしばらくは寒い日が続くようですね。近隣の中学校で12月にインフルエンザがはやっていた話を聞きましたが、低温で乾燥した気候の時ははやりやすいもの。気をつけてくださいね。

 

昨日、バーナムピアノテクニックをレッスンしていた時のことです。バーナムの場合には、似た音型の曲がグループごとに何回も出て来ます。

ペダルの使い方と、ゆっくり弾いて自分の音に耳を傾けしっかり聴く、ということを学んでほしいと思い、「深呼吸」を取り出して課題にしています。

和音が展開しながら重なっていく曲です。ただ、強弱記号はついていません。

和音を追って、きちんと押さえて弾くだけでも、小学生の手ではなかなか難しい部分があります。お正月休みに頑張って練習したのでしょう。ミスなく弾けました。

ただ、強弱記号という手がかりがなかったため、後半になって少しクレッシェンドしたかった様子はありましたが、全体に音量の変化が少なく、残念ながらどう感じているのかはあまり伝わってきませんでした。

「自分ではどう感じた?」と聞くと、本人も「後半は少し盛り上げようと思ったんだけど…」という返事。「だんだん強くするとか、だんだん弱くするとか、いろいろな表現の仕方があるから、ここで何回か試してみて、自分でしっくりくるものを選んでみよう。何か変えて、工夫して弾いてみて。」と言ってから弾いてもらいました。

一回目は、だんだんクレッシェンドのパターンを3回くり返してみました。「どう?」と聞くと「なんか違う。」ということで、もう一度試してみました。

今度は、だんだん弱くするというパターンを2回くりかえした後、最後はだんだん強くしていく形。「どう?」と聞くと「これがいい。」

聞いていても、こうしたい、という気持ちで弾くと、明らかに伝わってくるものが違うことがわかります。練習曲ではあっても、「曲」としてまとまった美しいものになりました。

 

音楽は、音が集まっているもの。単音で一つ一つ響きのある音で弾くこと。次にそれが集まったときに、どう表現していったらよいか考えること。最後は自分で決めていくことになります。

それが楽器を演奏するということの難しさであり、同時に楽しさではないかと思います。

年長さんの成長を実感

こんにちは。

小さいお子さんの成長というのは本当に目をみはるものがありますね。

昨日レッスンした保育園年長の生徒さん。もうじき1年生になります。

去年の暮れにたった1週間でぐんと成長したと感じた時がありました。それまでと比べ、落ち着いて話が聞ける時間が長くなり、集中力が高まったと感じたのです。

付き添いでいらっしゃったお母様に「とってもお姉ちゃんになりましたね。先週と全然違います。」とお話ししたところ、「就学時健診があったからかな。」とおっしゃっていました。

その後も、お姉ちゃんぶりはますます進化。ごあいさつも、「お邪魔します。」など、大人びたバリエーションを覚えて、言えるようになり、時々こちらがぴっくりすることもありました。

ピアノの面で大きいのは、注意すべきポイントを私が言った時に、本人の中にそれが入っていく感じがこちらにも伝わるようになってきたことです。

以前は、手の形や音の出し方について話しても、本当にその場で終わってしまい、2回くり返すと、2回目には元に戻ってしまうことがよくありました。

でも、昨日は指の付け根の関節を指して、「ここのぐりぐりが出るように弾いてね。」と話したあとに弾いたとき、「ここのぐりぐりがでるように弾けた。」と言ったのです。自分で課題意識を持って弾き、それを自己評価できるようになったのだなあ、とうれしくなりました。

間違えてしまった所の練習も、できるまで何回もくり返して頑張りました。

ピアノの個人レッスンの良さは、一人一人の成長に合わせてきめ細かく見られるところにあります。生徒さんの成長する様子を、お家の方と一緒に見ることができて、本当に幸せに思いました。

2018.01.05

一見、ゆっくりに見えても

こんにちは。

昨日から2018年、今年のレッスンが始まりました。

冬休みでお出かけしている生徒さんもいるので、通常モードにはまだなっていませんが、レッスン室にはお子さんのピアノの音が聞こえ始めています。

昨日、レッスンに来た小学校高学年の初心者の生徒さん、今まで中指1本だけ使っていたのですが、12月の最後のレッスンで、同じ曲を人差し指1本でと薬指1本で練習するように、宿題を出していました。

弾いているところを見ていますと、中指はずっとやっていたので、支えの感覚がつかめてきている感じがします。

人差し指と薬指は、まだちょっとぎこちない感じでした。本人も「中指は弾きやすいけど、他の指はまだ弾きにくい。」と言っていました。

「中指で弾く時と同じイメージを持って。」と言って、さらに具体的に何点かアドバイスすると、すぐに変わってきました。同時に音も柔らかくなってきました。

 

現在私が学んでいる、そしてレッスンで教えている奏法では、指の第2関節から下と、手のひらの内側の指の付け根に近い部分の支えがとても重要です。

初心者の方にそれをわかっていただくために、最初は、中指1本で練習していただいています。これは、日本の大手楽譜出版社から出版されているロシア奏法の教則本の導入部分にも共通しています。

中指を使って、ある程度感覚がつかめてから、人差し指と薬指。5本全部使うのはその後になります。

私の場合、まず中指だけにするのには、もう一つ理由があります。

お子さんの場合、音符を読まずに指番号だけ見て、3の指はミ、2の指はレと弾いている場合があるのです。全部同じ指では、音符を読まなければ弾けません。

 

先ほどの生徒さん、とても譜読みに慣れるのが早くて、1ヶ月半で、ト音記号・ヘ音記号ともに、今の教材に出てくる音符をすらすら読めるようになっています。

ですから、単に5本の指を使って音を出していく、というだけなら、もっともっと進度は速くなります。

でも、後々のことも考えて、より美しい音で、より楽に弾けるようになるために、今の進度はゆっくりでも、手の使い方を学び、音の出し方を練習していきましょう、と付き添いでいらっしゃった保護者の方にもお話ししました。

2018.01.04

ピアノを置く環境

こんにちは。

今日は仕事始めですね。

ここのところ、晴天が続き、空気が乾燥しているので、除湿機も止まっていることが多いです。たまに加湿器が動いていたりします。

今のレッスン室、ピアノのある部屋に除湿機を置くようになって3年になります。

実は、それまであまりピアノを置く環境について気にかけていなかったのですが、3年前は夏の終わりに調律していただきました。それから1ヶ月たち、台風が来たり、秋の長雨があったりと湿度の高い日が続きました。

すると、何だか雑音が混ざる気がするのです。金属的な音というか、何か違う音が聞こえてきます。日によっても違いますし、最初は大丈夫と思って弾き始めても1時間くらいたつと聞こえてくるというように、1日の中でも聞こえるタイミングは違ってきます。

とうとう調律師さんにもう一度来ていただきました。フェルトが弦をたたく部分は本当にまっすぐの状態ではないので、そういう雑音が混ざる場合があるとのこと。ただ、それを完全になくすことはできないし、なくそうとするとまた別の不具合が出てしまうとのことで、丁寧に調整し直していただきました。

ただ、調律師さんとの日程を合わせ、待っている間にピアノの置いてある環境について、もう一度意識してみました。まず温湿度計を買って、ピアノの横に置いてみました。

驚いたことに湿度が70%を超えることがたびたびあります。場合によると80%とか。驚いてあわてて除湿機を買って、部屋の隅に置くようにしました。

これは湿度50%に設定し、それを超えると自動で動いてくれます。実際に使ってみると、キッチンでお湯を沸かすだけで、すぐ運転し始める状態でした。

おかげで、それ以来はトラブルはなくなりましたが、ピアノを置く環境にはもっと気を遣うべきだったと反省しました。

リビングにピアノを置いているご家庭も多いかと思います。一度温度湿度を測ってみてはいかがでしょうか。

2018.01.01

今年もどうぞよろしくお願いします。

新しい年になりました!今年もどうぞよろしくお願いします。

新年というと、「今年の抱負」を表明することが多いのですが、(中学校で教えていたときにも、やりました)私のピアノに関する新年の抱負を書いてみようと思います。

最初は「抱負」と思って書き始めたのですが、読み返してみたら、夢のようなものもあったり、今やっている延長のもので目新しくはなかったり。いろいろになっています。

レッスンノートの最初に「どうなりたい?」ということを書くページがあるのですが、それと同じですね。たくさん書いて、今の段階では「夢」であっても、少しずつ近づいていけると思うので、あまりこだわらずに書いていきます。

【ピアノ教室として】

・生徒さんの音楽面・技術面両方の向上をめざして、さらに指導力を磨いていく。

・発表し合う場を設ける。少人数でも、可能な範囲でやってみようと考えています。

・また、新たな出会いがたくさんできる。生徒さん同士の交流も、何かの形で少しずつ持てるといいな、と思います。

・この奏法の特長を中心に、ブログ等を通してさらに発信していく。

・動画をアップし、実際の音を通しても発信していく。

【自分自身のこと】

・手の内側・指の付け根の筋力をもっとつけて、さらに響く音を作る。

・質の違う響き、音色を増やしていく。

・4月の葵の会定期演奏会に向けて、モーツァルトの変奏曲の練習をしていく。

・あわせてモーツァルトのソナタを仕上げていく。5月以降は、他の作曲家の作品にも取り組んでいく。

・9月に予定されている先生の発表会に参加する。

・Ray Lev先生の楽譜の中から、バロック期のものを中心に取り組んでいく。これを動画にしたいと考えています。

実は、2011年のお正月に、私は、自分の将来について考えて、ノートに書いていきました。その中には、ピアノ教室開設もありました。

その時、実現はずっと先になると思っていたのですが、何だかいろいろな状況から、私の想定よりも早く物事が進んでいます。書いてみると、自分の思いが明確になって良いのかもしれませんね。

個人的な思いを書いてしまいましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

2017.12.31

2017年を振り返る

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今日、12月31日で2017年は終わりです。私にとって、大きな変化、節目の年となりました。

ピアノ教室を立ち上げると決意した4月。6月7月で家のリフォーム・駐車場の工事をしました。合わせて、レッスンのメニューを考え、モニターレッスンをお願いし、8月後半にホームページの作成。

ようやく9月に開室にこぎつけました。少しずつ、お問い合わせいただけるようになり、現在、生徒さんは4歳から75歳まで、7名になりました。

かわいい生徒さんと、それを支えていらっしゃるすてきな保護者の方達。大人の生徒さんも、それぞれ魅力的な、そして前向きな方達ばかりです。

 

私にとって「教える」ということは、とても楽しいことです。

どうお話ししたら、自分の持っているものが伝わるかな?どういう教材を作れば、小さいお子さんに伝わりやすいかな?

それを考えて工夫し、実際に生徒さんができるようになったり、分かったりする様子を見ることができる。それ自体がとてもうれしく思われるのです。

ピアノ教室は、個人レッスンなので、一人一人の状況に柔軟に対応できます。それぞれの個性に応じて、それぞれの状況に応じて、長期の目標とそれにつながる中期の目標、そして今やっていることの先にある短期の到達点を設定していけます。

その一人一人に寄り添って、伴走していくのが、ピアノ講師の役割なのだと思います。

 

また、教えるという観点で自分のテクニックを見直す、という経験を通して自分自身の演奏・響きも変わってきました。教えるためには、自分のしていることを、可能な限り細かく分析し、無意識で行っている部分をできるだけ意識化するプロセスが必要だからです。

素晴らしい調律師さんとの出会いもありました。おかげさまで、レッスン室のピアノは、スタインウェイをイメージしたタッチに調整していただけています。

「同じにはならないんですけど」と調律師さんはおっしゃっていましたが、かなり近くなっています。響きが上にあがり、ちょっとしたタッチの変化が、音色に反映するようになっています。

 

個人的には、11月に父を亡くし、つい先日四十九日法要と納骨。年内に一つの区切りを迎えました。

振り返ってみれば、8年前、母を亡くしたときに、自分の人生の最後の時間をどう過ごすか?という問いが自分の中に生まれ、「ピアノをやり残している!」という思いから現在につながる奏法への模索が始まりました。

その成果であるピアノ教室を立ち上げた今年に、父が亡くなったことも、何か意味があるようにも思えます。ピアノそのものが両親が私に残してくれたとても大きな財産だからでしょうか。

 

2017年を支えてくれた多くの方々に感謝しております。本当にありがとうございました。どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。