ピアノ教室

「指遣いって大切ですね。」という生徒さんの気づき

こんにちは。

先日のレッスンで、保育士の生徒さんが「指遣いって大切ですね。」としみじみ言っていました。

本当に、そのとおりです。

 

「今まで、こんなに指遣いを意識して弾いたことはありませんでした。最初は面倒なんですよね。でも、覚えると、やりやすくなりますし、思い出しやすいですね。」

良かったです。指遣いの大切さを実感することができて。

実際、ピアノを弾くということは、運動の一種と考えることができます。

「運動記憶」は、一般の記憶とは、脳の中の違う部分に蓄積されているそうです。

ということは、記憶するとき、「いつも同じ指遣い」なら、一度記憶されると、当然それが引き出されるときもスムーズ。

 

よく、自転車の乗り方が例に出されますが、あれと同じです。

一度乗れるようになると、ずっと自転車に乗らなくても、身体が覚えています。

同じように一度指遣いが運動として記憶されると、身体が覚えているので、弾きやすくなるわけです。

もっとも、私の実感としては、ピアノの場合は自転車よりも複雑な要素があるので、もちろん、以前弾いた曲をすべてすらすら弾けるというわけではありませんが。(そうできたらどんなに良いでしょう!)

ただ、以前弾いた曲は、「指が覚えている」感覚というのが明らかにあって、その場合は、聞いているだけで指遣いが浮かんできます。

 

ですから、最初に「指遣いを決める」ということはとても大切なのですね。

その場合、ある程度経験のある人が指遣いを決めると、他の曲にも使える指遣いを基本に、その曲の前後を考えてアレンジしていくことができます。

結果的に、他の曲を弾くときにも応用できるわけです。

初心者が指遣いを決めると、なかなかそうはいきません。

レッスンにきて、指遣いを学ぶことのメリットは、そんなところにもあると思います。

 

先日の保育士の生徒さん、「カレンダーマーチ」の片手練習はだいぶできるようになったので、だんだん両手であわせる段階になってきました。

ご本人は「弾けないんです。」と言っていますが、なかなかのもの。

お忙しい中、本当によく頑張っています。

少しでもお手伝いできたらうれしい、と思いつつ、レッスンしています。

自分から練習する

こんにちは。

クリスマス会に向けての練習に入って、生徒さん達がそれぞれ自覚を持って頑張っています!

 

昨日の幼稚園年長さんのレッスン。

今週は、お母さまが「忙しくて、あまり見てあげられませんでした。その分、自分で練習していたようです。」とのこと。

自分から練習していたなんて、すばらしいこと!

聞かせてもらいました。

 

「ピアノランド・コンサート」の中の「ロマンティックなワルツ」です。

やさしい感じのする美しい曲です。

本番では、これをお母さまと連弾するのです。

この曲も、生徒さん本人が「これをやる!」と選びました。

ですから、練習にも熱心です。

 

最後まで、しっかり弾けていました。

前回のレッスンの時は、四分休符のお休みが取れていなかったので、そこを練習したのですが、今回は気をつけて弾いていました。

今回は、強弱をつけていく、ということ。

一生懸命、頑張って弾いているので、全部がf(フォルテ)になってしまっているのです。

 

「弱く弾く練習をしようね。」ということで、弱く弾く練習をしました。

まず、力を抜くところから。

手をぶらぶらさせて、そっと置いて、そのまま指を下げます。

まだ少し音が大きい気がします。

もう一度。

今度は良い音が出ました。

響きも出てきました。

 

強い音、弱い音。

弾き分けていきます。

今度は一段全体で、強く弾いたり、弱く弾いたり。

ずいぶん変わってきました。

お母さまに「音が、変わってきましたよね。」とお話しすると、

「自分ひとりで、ここまで練習しているとは思わなかったので、びっくりしました。」

とのことでした。

 

本当に、お子さんが「自分でやろう」と決めたとき、大きく成長します。

上達します。

気持ちが変わってくるのですね。

これから、伴奏と合わせていくと、和音が加わるのでさらに表情をつけていきやすくなります。

「私と連弾するのを楽しみにしているようなんです。」とお母さま。

それもまた、モチベーションになっています。

これから、どんな仕上がりになっていくのか、楽しみです。

鉄琴を使って手のイメージをつかむ

こんにちは。

ピアノは、鍵盤を下げるとハンマーが上がり弦を打つことで音を出す楽器です。

打鍵と離鍵のスピードで、音の響きが大きく変わってきます。

昨日は何人かの生徒さんに、鉄琴を使って、それをイメージしてもらいました。

 

小学校1年生の生徒さん。

ここのところ、ぐんと上達しました。

練習の習慣がしっかりついてきたからです。

毎日楽譜を見ているので、音符もすらすら読めるようになってきましたし、リズム打ちもすぐに正確にできるようになってきました。

「毎日」がいかに大切か、ということですね。

「明日、お出かけするけど、行く前にちゃんとピアノの練習してから行くの。」と計画を考え、教えてくれました。

 

その生徒さん、指に力が入ってしまいます。

「こいぬのマーチは、やさしい気持ちが伝わるように弾く」と決めたので、それを表現するためにも、指の力を抜きたいと思い、鉄琴を使いました。

何も言わずに、「たたいてみよう。」と言うと、マレットをぎゅっと握っているので、音が響きません。

「ふわっと握ってたたいてみよう。」と力を抜いてたたくと音が響きました。

「ピアノも同じだよ。」「こういう感じで弾いてみようね。」

うんうんと納得していました。

 

次の生徒さんは小学校6年生。

修学旅行がとても楽しかったのだそうです。

モーツァルトのピアノソナタもだんだん曲のイメージができあがってきました。

くるみ割り人形は、スタッカートが多いのですが、その音色が気になりました。

 

そこで、鉄琴。

たたいてもらうと、やはり、音がつまりがち。

ピアノよりも、分かりやすいのが良いですね。

たたいた瞬間に力を抜く。

柔らかく持つ。

手首を上げること。

ピアノと同じことに気をつけてたたいてもらうと、だんだん響く良い音が出るようになってきました。

 

「今のイメージでピアノを弾いてみましょう。」とピアノに移動。

弾いてもらうと、「音が上に上がる!」

そう、その通りです。抜けた音になりました。

 

ピアノの響きは鉄琴ほど分かりやすくはありません。

また、どうしても「弾くこと」に意識が行きがちなので、よけいに聞くことがおろそかになりやすいのです。

鉄琴を使うことで、音のイメージがよりはっきりとして、同時に腕や手首などの力がうまく抜けていくのです。

「わあ!きれい」という思いを伝える

こんにちは。

昨日のレッスンで、小学生の生徒さんが、表現力がぐんと広がった感じがしました。

 

ギロックの「道化師たち」

とても素敵な曲です。

小学校3年生の生徒さん。

とても感性の豊かなお子さんです。

今回は、クリスマス会でこの曲を弾くのですが、候補曲の中で、迷わず「これ」と選んだ「弾きたい曲」でした。

 

前回、1段目の譜読みをしました。

今回は2段目です。

最初の和音、特徴のある音が使われています。

右手はラ・ド。左手は最初ミ♭でレになります。

このミ♭・ラ・ドという三つを同時に弾くと、今まで聞いたことのある和音とは全く違っていたのでしょうね。

「わあ!きれい。」と感心したような声を出しました。

 

ギロックの楽譜は、とても丁寧に記号をつけて表現するヒントをたくさん与えてくれています。

ですから、小さいお子さんが表現力を学ぶヒントが、たくさんあるのですね。

この生徒さんが「わあ、きれい!」と言った部分には、アクセントがついています。

「とてもきれいだから、みんなにしっかり聴いてほしいよね。だからアクセントがついているよ。」

ということで、そのアクセントを味わいつつ、次のレのスタッカートへ。

ところが、レのスタッカートを意識すると、そちらのほうが強くなりがち。

「きれいな音を聴いてもらう気持ちで、このミ♭が聞こえるように練習しようね。」と何回かその練習をしました。

 

7~8小節目にかけてもそうです。

アクセントの付いている左手の音が、ミ♭→ミ→ファ→ファ♯と上がっていきます。

そして、その部分、だんだん大きくしていき、最後にファ♯の音にはフェルマータがついています。

ここも、丁寧に、意識しながら練習しました。

 

同時に、表現の原則についても確認をしました。

上行するときは、だんだん大きくし、下行するときはだんだん小さくすること。

フレーズの終わりは納める気持ちで少し弱めて弾くこと。

とても細やかに聴き分けられる生徒さんなので、意識することで、表現力がもっともっと磨かれていくと思いました。

これからが楽しみです。

自分の音を聞きましょう

こんにちは。

ピアノを弾いている時は、とかく弾くことに注意が向きがちです。

意識して「聴く」ことで音楽が変わっていきます。

 

昨日、レッスンした幼稚園の年長さん。

クリスマス会に向けて「ジングルベル変奏曲」を練習中です。

レッスンで弾いてもらうと、いつも練習をたくさんしてくる生徒さんなので、最後まですらすら弾くことができていました。

 

この曲はクリスマス会で弾くので、細かいところを勉強していくことは、伝えてあります。

前回のレッスンの時は、右手で和音を弾く時、音が抜けることがあったので、その練習をしました。

「音をよく聞こうね。全部の音が聞こえるかな?」と確認しながらゆっくり練習。

その後、通常の速さでも練習。

それから、両手で合わせました。

「音をよく聞く」を意識するだけで、変わってきます。

今回のレッスンでは、意識して練習した成果があって、その部分はとても上手になっていました。

 

次に、今回はメロディーを「聞く」ことに意識を持つようにお話をしました。

変奏曲なので、テーマの時は右手がメロディー、第一変奏の時は左手がメロディーというように、変わっていきます。

今までと逆になっている左手メロディー、右手伴奏のパターンは初めてですから「お歌の部分はどっちの手が弾くかな?」という確認をして、その後、「お歌をしっかり聞きながら弾こうね。」と話しました。

「しっかり聞こう」と思うだけでも、こちらも音のバランスが全然違ってきます。

 

最後の部分も、「サンタさん、そりに乗ってくるでしょう。プレゼントを置いた後、どうするのかな?」と聞くと、「次のお家に行く。」

「じゃあ、鈴の音はどうなるかな?」

「だんだん小さくなる。だってね、ずっと同じ所にいて、大きい音で鈴を鳴らしていたら、子どもが起きちゃうでしょう。そうすると、朝になる前にプレゼント見ちゃって、中身がわかっちゃうもん。」

なるほど。そこまでは考えていなかった!

ということで、鈴の音が遠くなっていく感じ、これもよく聞きながら、だんだん小さくしようね、ということで練習しました。

 

自分の音をしっかり聞きながら練習していく。

この習慣をつけていくと、音に対する感覚がどんどん鋭くなっていきます。

中学生の体験レッスン

こんにちは。

昨日は、中学校2年生の男のお子さん(もう「お子さん」という感じではありませんが)が体験レッスンにおみえになって、入会してくれました。

 

ピアノを習うのは初めてとのこと。

「勉強の息抜きにもなるし、弾けるようになったら知っている曲のアレンジにも挑戦してみたい。」と習おうと思った動機をしっかりした自分の言葉で話してくれました。

ピアノが脳に及ぼす影響などについても少しお話した後で、さっそく体験レッスンです。

 

まず、ト音記号の説明と、実際になぞって書いてみることから。

そして中央のドの音符を確認した後、ドレミファソのカードを見せながら、音符がどのように音と関連しているのかを説明しました。

この辺り、あっという間に終わりました。

 

その後、ピアノに移り、ピアノという楽器を見てもらいました。

弦がどう張ってあるのか。

鍵盤をたたいた時、ハンマーがどう動くのか。

ペダルを踏んだら、何がどう変化するのか。

さすが中学校2年生です。

低い音の弦が長くなることも、すでに持っている知識と結び付けて、「あ、なるほど。」とすぐに理解していました。

 

実際に音を出してみます。

まず、座り方。

座ってもらったら、背が高い!

「何㎝あるの?」と聞くと「165㎝より高いと思います。」とのことでした。

大きいですね。

椅子はかなり後ろに引いた状態で座ってもらいました。

 

次に、中指を使って音を出してもらいました。

手首を上げ気味にして、指先の力を抜いてドの音を出す。

とても上手です。

曲はピアノランドの「どどどど どーなつ」と「さらさら おがわ」

4分音符、2分音符の説明も含め、練習をしてもらいました。

すぐ弾けるようになって、私と連弾をしました。

表情の付け方もお話ししたところ、すぐ対応できました。

 

中学校2年生は心身ともに大きく成長するとき。

夏休み後のこの時期は、個人差はあるものの、基本的に大人として考えていくべき時です。

特に、昨日の生徒さんはとてもしっかりしていて、大人の考え方、大人の対応ができていました。

これから、どんな風に成長していくのか、とても楽しみです。

2018.09.16

2年めに入りました

 

こんにちは。

昨年の9月に「たうらピアノ教室」を始めて1年が過ぎ、2年目に入りました。

 

学んでいる「ロシアピアニズム」を教える教室を開こう、中学校の教師経験を生かして生徒さんたちと関わっていこう、そういう思いで開室しました。

最初は、右も左もわからず、とにかくホームページを作って、ブログを書いて…と夢中でした。

幸いたくさんのすばらしいご縁に恵まれました。

 

現在、生徒さんは14人。

高坂幼稚園、野本小学校、高坂小学校、桜山小学校、新明小学校、白山中学校に在籍している生徒さんが通ってきてくれています。

それぞれ個性豊かで、レッスンしていて楽しいことがたくさん。

日々のレッスンの中で、生徒さんの成長を実感しています。

保護者の皆さまのご協力にも、心から感謝しています。

 

大人の生徒さんも、いらっしゃいます。

皆さん、それぞれお仕事がお忙しい中、ピアノに向き合う時間を持とうとしていらっしゃいます。

その姿勢に敬意を持って、少しでもお役に立てるようにしよう、と思いつつレッスンしています。

 

12月にはクリスマス会を企画し、動き始めています。

「協力しますよ。」

「やることがあったら、言ってください。」

と何人もの方からお声をかけていただきました。

生徒さんそれぞれも、曲を決めて、練習を始めています。

 

地域の方々からも、温かく見守っていただいています。

ご近所の方がチラシを持っていってくださったり、お店に置いてくださったり。

 

多くの方々の御厚意あってこそ。

心からの感謝の気持ちを持って、気持ちを新たに2年目の日々を過ごしていこうと思います。

同じ速さで数えよう

こんにちは。

まだピアノを習い始めて日の浅いお子さんの場合には、同じ速さで弾いていく、ということが難しいのですね。

4拍子は1234と数えながら弾く、ということは分かっても、4分音符の部分はゆっくり数え、2分音符になると速くなります。

昨日は、小学校1年生の生徒さんのレッスンが続きました。

そして、2人とも、「同じ速さで数えようね。」というお話をしました。

 

最初に来たのは、とてもしっかりしている1年生のお子さん。

「こぎつね」を弾きます。

「こぎつね」の部分で4分音符が続き、そのあと、「こんこん」は2分音符です。

前回のレッスンの時、1234と数えながら弾いたので、特に「こんこん」のところでは、はっきりと、「1234」と数えながら弾いていました。

でも、せっかく数えたのに、「こぎつね」の部分の4分音符の時と、「こんこん」の2分音符とでは、1拍の長さが違っていて、明らかに速いのです。

 

最後まで弾いてから、2回、いっしょに歌ってみました。

その後で、「1234、ってちゃんと数えながら弾けたね。ただ、全部同じ速さで数えようね。」と話しました。

そして、「どれくらいの速さで数えるか、最初に決めよう。」と言って、生徒さんに決めてもらいました。

その後、その速さで一緒に数えながら弾きました。

今度は、大丈夫。

「全部同じ速さで弾くことが大切なんだよ。」と話しました。

 

次に来たのがお歌が大好き、にこにこ明るい1年生の生徒さん。

「でんでんむし」です。

すごくうれしそうに「たくさん練習した。」と報告がありました。

そしてレッスンノートにも頑張ってたくさん練習した様子が書いてありました。

 

とても上手に弾けていました。

ところが、惜しかった。

最後に来て、「つのだせやりだせ」の4分音符がとても速くなったのです。

「同じ速さで数えながら弾こうね。」というお話をして、また、一緒に数えながら弾きました。

今度は大丈夫。

最後まで、同じ速さで弾けました。

 

最初はゆっくり、弾けるようになったらだんだん速めていく。

でも、曲のテンポ・拍を数える速さは同じにしていく。

生徒さん自身の体感はもしかしたら、あまり変わっていない可能性があります。

だからこそ、一緒に数え、確認していくことが大切なのだということを感じたレッスンでした。

できるだけ弾きやすい方法を考える

こんにちは。

昨日の保育士さんのレッスン。

いらっしゃると、「聞いて下さい!2月の行事で歌う曲、いきなり変わったんですよ!練習、始めたのに…。どうしましょう。」というお話。

最初は「北風小僧の寒太郎」でした。

それが、「歌いにくい」ということで、「カレンダーマーチ」に変わったのだそうです。

 

楽譜を見せてもらいました。

「北風小僧の寒太郎」よりも弾きやすそうです。

同じパターンの伴奏形が続きますし、そのパターン自体が、4分音符の和音だからです。

「大丈夫!弾けます。」ということで、レッスンを始めました。

 

まず、歌を歌ってみます。

知らない曲だというので、ゆっくりめに一度通して歌い、来週までに何度も歌ってくることになりました。

明るい曲調の楽しい歌です。子ども達も楽しんで歌うでしょうね。

次に伴奏を確認します。

するとほぼ同じパターンが3回くり返されていることが分かりました。

これ、大切なことなのです。

同じパターンのくり返しと言うことは、1つ弾けるようになれば、曲の6割が弾けるようになるからです。

 

そのパターン部分の練習をしました。

その後、パターンとパターンのつなぎだけ取り出して練習します。

その時も、できるだけ「手の動きが少なくてすむ指遣い」を考えます。

昨日の場合も手の置き方と指遣いを工夫すると、親指をずらすだけで、スムーズに弾ける部分がありました。

 

分解して練習していくと、あっという間に左手の譜読みは終わりました。

今度は右手です。

「動きを少なくする」ことを優先すると、45の指で付点8分音符と16分音符のリズムを弾くことになり、それは弾きにくい。

その部分は「弾きやすさ」を優先していくことにしました。

音型によって、優先事項は変わっていきます。

右手のメロディーも指遣いを書き込みながら、すぐに譜読みができました。

 

弾きやすさは、ご本人の手の大きさや弾き方にも左右されます。

ですから、お一人お一人に合わせたレッスンで確認しながら指遣いを決めていける、個人レッスンの良さが生きるのかもしれません。

「大丈夫、弾けますね。絶対間に合います。」と言うと、ご本人も

「本当に。大丈夫ですね。」とほっとしたようでした。

次に弾く音の準備をする

こんにちは。

六十代で、レッスンに来ていらっしゃる女性の生徒さんがいます。

 

「息子も娘も習っていて、いつか私もと思っていて…」ということで、「いつか」を実現なさいました。

そろそろ1年になります。

お仕事がお忙しい中、まずはレッスンに来る時間の確保から。

次には、ご家族との折り合いをつけて練習できるようにすること。

仕事を持ち、主婦でもあり、畑もおやりになっている。

そんな中でピアノを続けていくため、一つずつ環境を整えていらっしゃいました。

 

1年経って、指も慣れてきました。

今は、クリスマス会に向けて、ベートーベンの「悲愴」第2楽章のハ長調編曲版を練習中です。

まず、右手から。2分音符が続きます。

最初は、スムーズにいきませんでした。

2拍、のばして、次にいこうとすると拍子に間に合わない。

ふしぎなことに、4分音符で動くところは、かたまりとして頭に入っているようで、そちらのほうがずっとスムーズです。

 

そこで、前の音を弾いたら、すぐに次の音符を見て、指を準備しておく、ということをお話ししました。

もう一つ、その手順が間に合うように、今よりも、もっとゆっくり弾くこと。

それを心がけましょう、ということで実際に始めてみました。

 

今度は、ずっと滑らかになりました。

その上で、できるだけ、次の音のイメージが頭の中に入るように、何回も練習します。

まず4小節。

できるようになったら8小節。

これをくりかえしました。

 

「脳トレになります。」とおっしゃりながら、音符→指遣い→鍵盤の流れを意識できるようになってきました。

だんだん上手に弾けるようになっていきます。

「また、練習してきます。」とおっしゃって、帰っていかれました。

 

1年、毎日の積み重ねで上達していきます。

自分の指で音を出すことの楽しさ。

それから、新しいことにチャレンジして、それが出来ていくことの楽しさ。

それは、年齢に関係ありません。

人生の先輩のチャレンジする姿勢に敬意を持ちつつ、私もレッスンに臨んでいます。