ピアノ教室

2018.11.09

ピアノ教室はどんなところだろう?

こんにちは。

ピアノ教室はどんなところだろう?

実際に習ったことのない方には、イメージしにくいかもしれません。

今回は、スイミングスクール例に、比較しながら、ピアノ教室の特長を書いていきますね。

 

まず、スイミングスクールはグループレッスンであることに対して、ピアノ教室は個人レッスンであることが挙げられます。

一人一人の生徒さんに合わせて、レッスンしていきます。

生徒さんによって、得意なこともそれぞれ違うわけです。

音符がすぐ読める生徒さん。

リズム感が良い生徒さん。

歌が大好きな生徒さん。

みんな違います。手先の器用さも、年齢で一律に決まるものではありません。

ピアノ教室の場合には、個人レッスンであるために、30分の時間をしっかり1人の生徒さんに集中して教えていくことができます。

 

もう一つは、「家で練習することがレッスンの前提になること」です。

スイミングの場合、家庭にプールを用意することは不可能ですから、スイミングスクール内のプールで練習していくことになります。

ですから、スイミングスクールの教室の時間設定は、「教えてもらう+練習する」時間になりますし、そこに通っているうちにその場で上達していきます。

一方、ピアノ教室の30分という時間設定は「家で練習してきている」ことが前提になります。

毎日家で30分練習すれば6日間で180分になりますが、仮にそれをすべて教室で「練習」するとなると、6回レッスンする必要があります。

そうなると1つの曲を仕上げるのに2ヶ月近くかかってしまい、上達した実感が持持ちにくくなってしまいがち。

ですから、ご家庭に楽器を用意していただき、練習することが上達のためには絶対に必要になってきます。

 

ただ、その過程で得られるものは、ピアノが上達することだけではありません。

毎日、地道に何かに取り組む習慣がつくこと。

一つの曲が仕上がっていくことの楽しさが味わえること。

上達していく喜びが味わえること。

こういう力も身についていきます。

これらの経験は、ピアノにとどまらず、お子さんの場合、学校の学習にも役立つものです。

大人の場合にも、習慣を作っていくことは、日常生活の質を高める上でとても役に立ちます。

 

ピアノ教室は、このように、さまざまな経験をすることができる場なのです。

知的理解が進歩を助けるー小学校高学年・中学生のピアノレッスン

こんにちは。

たうらピアノ教室には、小学校の高学年・中学生になってからピアノを始めた生徒さんが何人もいます。

ピアノを始めるのは、一般的に早いほうが良いと言われます。

でも、趣味で楽しもうという場合は、始めるのに年齢は関係ありません。

 

昨日は、中学校2年生の生徒さんの3回目のレッスンでした。

今回、無理なく段階を追うことができること、ポップス風の和音が多く使われていることから、「ピアノランド」のシリーズを使うことにしました。

小さいお子さんだと、「知っている曲が弾ける」ということがモチベーションに大きく関わりますが、中学生だとそのあたりも変わってきます。

 

小学校高学年や中学生、大人の生徒さんの場合は、知的理解が加わるので、読譜についてはすぐ理解できるのですね。

中学生・高校生くらいまでだと、あとは回数ですぐ直感的に分かるようになります。

かつて中学校の吹奏楽部の生徒を見ていて、どうしてこんなに短期間で楽譜が読めて吹けるようになるのだろう?と思うほどでした。

ただ、吹奏楽に限らず、中学生の伸びしろもとにかく大きく、どんどん色々なことができるようになりますので、それをたくさんの生徒を見ることで実感しているというのは、私の強みでしょう。

 

この生徒さんの場合も、五線譜の仕組み、音の高さをどのように書き表しているかについては、すぐ理解できました。

大人用の音楽ドリルを使っているので、学習効率が高い一方、加線も含め、どんどん進みます。

本人は「ヘ音記号になると、考えるのに時間がかかってしまって……」と言っていましたが、何ページ分もやってきました。

このあたりが、「知的理解」がしっかりできることのメリットです。

 

ピアノについても、最初は使う指の数がだんだんと増やしていく段階。

前回私が話したことを理解して、何曲も練習してきました。

リズムの感じ方などの細かい点を修正して、次に進むことにしました。

拍子も4分の4拍子から8分の6拍子が加わり、その感じ方、両手で合わせる部分も入ってきます。

 

「何か質問がある?」と聞くと

「両手で合わせる時の、練習のコツはなんですか?」

質問ができるというのは、課題意識を持って聞いているということですから、素晴らしいことです。

「別々に練習した後、左右の動くタイミングに注意をしながら、とてもゆっくりの状態から練習しましょう。」とお話ししました。

しっかりしていて、頼もしさも出てきた中学2年生でした。

小学校2年生の体験レッスン

こんにちは。

昨日は小学校2年生の女のお子さんが体験レッスンを受け、入会してくれました。

 

3人兄弟の長女、ということで、しっかりした印象のお子さんです。

将来、幼稚園の先生になりたいので、ピアノはぜひ習いたいと思っていたとのこと。

ご挨拶をして、少しお話。

お家でも、電子ピアノがあるので、少し自分なりに弾いたりしてもいるそうです。

 

その後体験レッスン開始です。

手をなぞって指番号。

指番号の書いてあるカードを使って、確認していきます。

さすが2年生。すぐできました。

 

ト音記号とヘ音記号。

ト音記号のカードが出たら右手で、ヘ音記号のカードが出たら左手でボンゴをたたきます。

これも、すぐできました。

真ん中のドの音を音符で書くとどうなるのか、の確認。

 

いよいよピアノです。

この頃、体験レッスンでは、ピアノの仕組みを見ていただくようにしています。

音の出る仕組みを見てもらうことで、自分の打鍵がどのように音につながっていくのかをイメージすることができやすいと考えたからです。

ピアノの蓋を開けて、弦が全部見えたらわーっという感じで、一緒にいらしていた弟さんもびっくり。

確かにグランドピアノの中はなかなか見る機会がありませんから。

 

鍵盤を弾いてもらい、ハンマーが上がる様子を見てもらいました。

スイッチがなくても、鍵盤を弾くとハンマーが上がり、弦を叩いて音を出す。

その後、ペダルを踏んだらどうなるのかも見てもらいます。

私が右のペダルを踏んでから弾いてもらうと、音が響くことにもびっくり。

左のペダルを踏むと、鍵盤が動くことにもびっくり。

お母様も、子供の頃10年位習っていたとのことで、グランドピアノを見ながら、「電子ピアノだと、弾いた感じが全然違うんですよね。」とおっしゃっていました。

 

蓋をしめて、黒鍵を手がかりにドの音を探していきました。

すぐ見つけられました。

そして、一番上のドの音も、一緒に確認しました。

次に、ピアノの真ん中探しです。

高いほうから生徒さんに、低いほうから私が一つずつ鍵盤を弾いて、隣り合ったところまで進みます。

ピアノの真ん中を確認し、真ん中のドも確認しました。

 

実際に曲を弾いてみます。

「ピアノランド」の「どどどどどーなつ」を弾きました。

何回か練習して、一緒に連弾。

1曲、その場で完成させることができました。

 

次からの日程を確認し、教本類をお渡ししました。

お母様に「これから習うんだよ。」と言われて、ニコッとした顔、ほんとうにうれしそうでした。

帰り際にも手をふって帰っていきました。

新しいご縁に感謝しつつ、楽しいレッスンをしていこうと思います。

2018.10.29

息継ぎをする

こんにちは。

ピアノは、歌と違って、息継ぎをしなくても「弾く」ことは可能なのですが、やはり息継ぎは必要です。

 

幼稚園年長の生徒さん、とっても上手に「ジングルベル変奏曲」が弾けるようになりました。

ただテーマと変奏の間も、同じテンポで弾いてしまうので、ちょっと慌ただしい感じがしました。

途中で息継ぎをしてみよう、ということで息継ぎの練習をしました。

最初は、大きく息を吸ったので、音楽が止まってしまいました。

どう言ったら伝わるかな?

 

スイミングにも行っていると話していたので、水泳の息継ぎをいえば分かるかな、と思い

「パッと吸ってみよう。泳ぐ時の息継ぎみたいに。」と言ってみました。

(考えてみたら、行き始めてまだ日が浅いので、息継ぎして泳いでなかったかもしれません。)

何回か練習しているうちに、良いタイミングで息が吸えるようになってきました。

 

息を吸わない演奏だと、聞いている側がだんだん息苦しくなってしまいます。

一生懸命さは伝わってくるのですが、余裕というか、楽しさというか、そういうものが伝わってきにくくなるように思います。

大人の演奏でも時々、そういうことがあります。

人のことではなく、私自身も、特に若い頃の演奏はそうだったように思いますし、ピアノを再開した最初の頃、「ここで息を吸いましょう。」とレッスンで先生から言われた記憶があります。

弾いている側は夢中になってしまうので、そのことを忘れているのですね。

 

音楽を聞く人に届けるという意識を持つと、弾く時のとらえかたも変わってくるように思います。

ピアノを弾く時、ついつい自分の指だけに意識を持っていきがちになりますが、聞く人の位置や、演奏会場の空間に意識を置くと、演奏そのものにも余裕ができるようになります。

「弾けるようになってから、聞き手のことを……」と若い頃は考えていましたが、そうではないと感じるようになってきました。

どちらが先ということではなく、弾く指、弾くという意識を持ちつつ、聞き手・空間にも意識を向ける。

それを同時に考えていく、この感覚もまた、慣れなのかもしれません。

音楽に表情をつけていく

こんにちは。

音楽に表情をつけていく、その意識を持つことはとても大切です。

 

2ヶ月限定、集中ということで、レッスンにみえている大学生の生徒さん。

大学で映画を撮影するサークルに入っていて、「ピアノを弾くシーンがあるんだけど、誰かやって!」と頼まれて引き受けたとのこと。

中学1年生までピアノを習っていたとのことですが、その後は弾く機会がなく、ブランクがあります。

中学校で吹奏楽部に入り、クラリネットを吹いていたとのことで、読譜力はしっかりしていました。

 

曲はパッヘルベルの「カノン」です。

もともとピアノの曲ではないので、ピアノ用に編曲されたものは、難易度別に何種類かあるようです。

その中で、御自分が選んだ楽譜を持ってきました。

撮影に使うのは、16分音符の連続がある部分。

撮影後、年が明けてから4年生とのお別れ会があって、そこで弾きたいとのことで、全体を練習しています。

そのお別れ会の時には、もう一曲「戦場のメリークリスマス」を弾くので合計2曲。

とても努力家で、コツコツ家でも練習し、頑張っています。

 

撮影日がもうすぐということで、昨日は「カノン」、しかも撮影に使う部分を重点的にレッスンです。

音を出す、という意味の「弾くこと」はできているので、さらに美しく、音楽的にということを考えていきましょう、というお話をしました。

16分音符の部分は、細かく動きますが音型や和声の変化を感じ取っていくこと、それによって音量を変えたり、微妙な間を取ったりという工夫をしていきます。

原則として、上行音型はクレッシェンドを、下降音型はデクレッシェンドをつけること。

和音の進行によって、緊張感が変わることをお話しし、私も実際に弾いてみせました。

 

その後、自分でやってみる、自分の感覚で音楽を作っていく、ということをしてみました。

何回か弾いているうちに、しっくりきたのでしょう。

曲の印象がずいぶん変わり、音楽が生き生きしてきました。

吹奏楽での経験もありますから、そのあたり、つかむのが早かったのだと思います。

 

「弾く」と一言で言っても、さまざまな要素があります。

でも、大切なことは、「美しい」と思える音楽を作っていくこと。

その意識が、演奏を大きく変えていきます。

リズムだけ取り出して考える

こんにちは。

リズムを正しく弾いていくこと。

特に最初のうちは、難しく感じるかもしれません。

 

私自身もそうでした。

記憶に残る最初期の頃のレッスン風景。

アップライトのピアノで、もうお子さんが大きくなっていたので、もしかしたら、今の私と同じくらいだったのかもしれません。

とても優しい先生でした。

当時の私は、5歳。

「ちょうちょう」を弾いていたのですが、最後の部分、「とまれよあそべ」の部分が理解できず、何回もやり直しをしていました。

先生が「それでは『とまれよあそべべ』でしょう。」とおっしゃっていたことをはっきり覚えています。

ソミミミファレレーと最後のレを2部音符で弾くべきところ、ソミミミファレレレと弾いていたのでしょうね。

 

そうとう何回もやり直して、とうとうその時にはできなかったように思います。

私がピアノを始めたのが5月で、先生のところの発表会が6月。

たぶん、「ちょうちょう」が弾ければ、発表会に出られたけど……という話だったはずです。

結局弾けなかったので、発表会は翌年まで待つことになってしまったのでした。

 

やはり、今教えている生徒さんたちも、リズムが難しく感じている場合が見られます。

先日の中学生のレッスン。

シンコペーションがなかなかできずに、リズム打ちをたくさんやるうちに、できるようになりました。

私が1234と拍子を打ち、生徒さんが、リズム打ちをするのです。

1年生の生徒さんも、「お正月」に出てくる

         というリズムが難しくて、何回もリズム打ちをしました。

ターアータンタタ と口でも言ってみます。

場合によると、カスタネットを使ってみたり、タンバリンを使ってみたり……。

音が変わると、また印象が変わって、繰り返し練習しても「繰り返した」感が少なくなりますね。

変化をつけつつ、何回もというところでしょうか。

 

ドレミの音を確認しつつ、リズムも、となると難しいので、そういう時はリズムはリズムだけ、音の高さは音の高さだけ、と分解して練習していきます。

慣れの要素が大きいので、いろいろなリズムが出てきて、その都度練習していくと、みんなパターンを覚え、スムーズに弾けるようになっていきます。

指でミスタッチが分かるようになる

こんにちは。

ピアノを弾く時は、目→頭(脳)→指→耳がフル回転しています。

弾く経験を重ねていくうちに、このつながりがしっかりしてきます。

上の書き方ですと、一方向に流れているように感じられますが実際は違います。

目と脳、指と脳、耳と脳。

これらのつながりが複雑に絡み合って、使われている、という感じです。

 

大人の女性の生徒さん。

前回のレッスンでも、ずいぶん手の動きがスムーズになってきたと思いました。

今回、さらに家で練習してきた成果があって上手になっています。

1曲通して、ミスなく弾けることも出てきました。

間違うときもあるのですが、弾いた瞬間に「あ、これ違う。」と言うことが増えてきました。

 

以前でしたら、弾いて、出てきた音を聞く間があってから「あ、これ違う」だったのです。

今回は、「あ、違う」というタイミングが、とても早くなったので、詳しく伺ってみたところ、弾いた瞬間、指の感覚で「これ違う」ということが分かるようになったとのことでした。

これについては、以前読んだ「ピアニストの脳を科学する」という本に次のように書いてありました。

ピアニストの脳は、ミスすることを事前に察知し、意図しない音を鳴らそうとする指に対して、急ブレーキをかける指令を送ります。損結果、ミスは避けられないにしても、誤って鳴らしてしまう音の音量を弱め、ミスタッチが音楽に及ぼす影響をできるだけ減らす、という極めて巧みなことを、自動的にやっているわけです。

古屋晋一「ピアニストの脳を科学する」春秋社

以前、これを読んだ時には、なるほどそういうものか、で過ぎてしまいました。

今回、レッスンの時に生徒さんのお話を伺って、もちろんピアニストとレベルは違いますが、レッスンを重ねていくうちに、指で感じる、指と脳をすばやく結ぶ回路ができてくるのだということが分かりました。

 

人間の脳というのは、素晴らしいものだとつくづく思います。

訓練し、使うことで、どんどん成長していくのだということ。

そして、それは年齢には関係ないのだということ。

ピアノを通して、人の成長にかかわらせていただくことができる、ほんとうにうれしく思いました。

手と指の筋肉を鍛える

こんにちは。

指をコントロールする力も、年齢によって、また個人によって大きく変わってきます。

ですから、同じ年齢でも、すぐできる生徒さんと、少し時間のかかる生徒さんがいます。

それは、当然のことですし、継続して訓練することで、必ずできるようになります。

 

そのために使うものとして、お手玉があります。

大きなお手玉の中には、ポップコーンが250g入っています。

持つとずっしりしています。

これを左右の手で投げて受け止めたり、私と投げ合ったりもしたりします。

歌いながらやるので、リズム感もついてきますね。

身体でリズムを取りながら投げたり、受け取ったり。

自分で投げる強さをコントロールする必要があるので、細かい力加減が分かるようになってきます。

私とのお手玉のやり取りは、体験レッスンでもします。

小さいお子さんも、初めての場所でみんな緊張しているので、遊びの要素を取り入れた活動はホッとするのでしょうね。

笑顔で楽しむことが多いです。

 

次にお手玉をギューッとにぎってパッと話す。

握って離すという動きは、握力をつけるために使うもので、てのひらの内側の筋肉を発達させます。

ピアノを弾くときにも同じ筋肉を使うので、効果的です。

ゆっくり10回やろうね、ということで、家でもこれを練習することになっています。

 

最近は、さらに、指を付け根から曲げる体操も始めました。

手を向かい合わせにして、左右の同じ指を根元から曲げます。

指が90度曲がった状態で、左右の指先を合わせて「こんにちは」とします。

ピアノを弾く時に、意外に根元から指を曲げるという動きが難しいということを感じたので、取り入れることにしたのです。

これも、すぐできる生徒さんと、手首から曲がってしまう生徒さん、他の指もつられて曲がってしまう生徒さんといろいろです。

でも、やっていくうちに、ピアノを弾くときの指の使い方との関連がわかってきます。

 

こういう地道な練習は、継続する習慣が大切です。

でも、やればやっただけ、効果は必ず出るので、特に幼稚園・保育園~1年生くらいの生徒さんたちに「毎日やろうね」と言いながら、レッスンしています。

2018.10.22

ピアノを通して集中する習慣をつける

こんにちは。

一つのことに集中していく機会は、日常生活のなかでなかなかありません。

特に大人になると、何かをしながら、「さて次は……。」と考えがち。

ピアノを弾くことは、集中力を養うことにもなります。

 

大人の生徒さん。

前回のレッスンの時、「今週は、毎日弾けました」と言っていらっしゃいました。

聞かせていただくと、前よりもずっとスムーズにできるようになっていました。

ただ、時々止まってしまうこともあります。

「家ではできるんですけどね。」

 

お仕事の合間をぬっていらっしゃることもあります。

「雑念があると、止まるんですね。」とご自分でもおっしゃっていました。

確かに、その方は、レッスンの中盤以降、急に弾けるようになることがよくあります。

「集中してくると、弾けるようになります。」とのこと。

 

振り返ってみると、私自身、「手の使い方が……」「身体の使い方が……」ということを「考え」始めると、ミスをしがちです。

音楽に集中しているときのほうが、調子が良いのですね。

ピアノの仲間も同じようなことを言っていました。

「自分が弾くことや自分の音に集中している時と、何かを『考え』る時とでは、音楽が変わるよね。」

そんな話をしたこともあります。

 

一つの音を出して、指の感覚と音の質がどう変わるか、聞きながら練習をしていたときに、先生が「これをやっているときの脳の状態は瞑想と同じだそうですよ。」と言っていました。

一つの音に集中する。

確かに、その時に他のことは考えなくなります。

 

最近、「マインドフルネス」という言葉をよく聞きます。

グーグルなどのアメリカの大企業が「マインドフルネス瞑想」を取り入れたことで話題になりました。

「マインドフルネス瞑想」は、呼吸に意識を集中して、その他の雑念を考えないようにするトレーニングですが、ピアノの演奏もほんとうに似ています。

 

その時のその一音。

その時のそのフレーズ。

他のことは考えない。

毎日、ピアノの練習を通して「集中する」ことを学び、その習慣をつけていくと、他のことにもいろいろな影響がありそうです。

幼稚園年長さん、レッスンノートを自分で書き始めました

こんにちは。

たうらピアノ教室では、レッスンノートを書いてもらいますが、幼稚園年長の生徒さんが、自分で書くようになりました。

 

レッスンノートには、練習時間のメモを左側のページに、右側のページには、その日にあった、できたこと、うれしかったことや楽しかったことを書き込むようになっています。

精神科医の先生が「その日あった良かったことを毎日3つずつ書くと、幸せを感じる力がついてくる。」ということをおっしゃっていたので、取り入れてみたのです。

書くことで、ポジティブな面に自分で気づくことができます。

ピアノの上でも、自分の上達を自分で感じることができますし、日常の中でも、自分の進歩をしっかり味わうことができるようになります。

 

とはいえ、ちょっと面倒に感じる方もいるので、当然のことながら、これについては強制はしません。

小学校中学年・高学年のお子さんで、とても楽しんで書いている生徒さんもたくさんいますし、一方で書かない生徒さんもいます。

だいたい、幼稚園や小学校低学年の生徒さんの場合、保護者の方が記入します。

ところが、前々回あたりから、その年長の生徒さんの場合、ひらがなで自分で書き始めました。

練習時間のメモもちゃんと記録してあります。

楽しかったことも「〇〇ちゃんといっしょにあそんでたのしかった」とか「ようちえんで~ができた。」とか書き込んでありました。

 

もちろん、枠の中におさめるのが大変です。

1週間分なので、2行です。

でも、本当に一文字ずつ一生懸命書いたのだろうな、という姿が目に浮かぶような文字で(ときに、鏡文字になりながらも)こんなことがあった、と実にしっかりと記録してあるのです。

お母様に「すごい、自分でしっかりと書いていますね。」と言うと、

「そうなんです。来る前に、あ、ノート、と思って見たら、全部自分で書いていました。」

 

お子さんの成長はほんとうに速い。

特に小さいうちほどそうですね。

その成長を一緒に味わわせてもらい、とてもうれしい気持ちになりました。