音楽を感じ取る力と響き
こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。
先日、クラシック音楽をとてもたくさん聞いている方とお話しする機会がありました。
作曲家についても、演奏家についても、とても詳しくて、ピアノに限らずいろいろな曲を多くの演奏者の演奏で聞いている方です。
その方ご自身も、ピアノを習っていて、今はベートーベンの月光の1楽章を練習中とのこと。
ゲンリヒ・ネイガウス、リヒテル、ヴェデルニコフなどの演奏もよくご存じで、ロシアピアニズムにもともと興味があったそうです。私と話していて、「ここでネイガウスの名前を聞くとは思わなかった。」と言っていました。
ピアノのレッスンでは、曲をどのように弾いていくとよいかという、いわゆる「解釈」とでも言うべきものを教えてもらうことが多いように思います。
でも、大人の、特にとても音楽が好きでたくさん聞いている方は、頭の中にはもう音楽が流れていて、自分はこう弾きたいというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
そういう方にここはこう弾いて、こっちはこう弾いたら…と細かく言うのは何か違う気がします。
それよりも、レッスンでは「そう表現したいなら、こういう音色がより効果的に表現できる」ということをお話できたらと思います。
もともと音楽を自分自身で感じ取り、作る力のある方は、音色を弾き分けることでますます多彩な表現ができるようになっていきます。音色が増えれば増えるほど、楽譜から自分自身で音楽を感じ取る力はさらに増していくということも実感できるようになっていくでしょう。
響きで弾いていく奏法というのは、表現の幅を広げる大きな可能性をもっているのです。