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2018.01.05

一見、ゆっくりに見えても

こんにちは。

昨日から2018年、今年のレッスンが始まりました。

冬休みでお出かけしている生徒さんもいるので、通常モードにはまだなっていませんが、レッスン室にはお子さんのピアノの音が聞こえ始めています。

昨日、レッスンに来た小学校高学年の初心者の生徒さん、今まで中指1本だけ使っていたのですが、12月の最後のレッスンで、同じ曲を人差し指1本でと薬指1本で練習するように、宿題を出していました。

弾いているところを見ていますと、中指はずっとやっていたので、支えの感覚がつかめてきている感じがします。

人差し指と薬指は、まだちょっとぎこちない感じでした。本人も「中指は弾きやすいけど、他の指はまだ弾きにくい。」と言っていました。

「中指で弾く時と同じイメージを持って。」と言って、さらに具体的に何点かアドバイスすると、すぐに変わってきました。同時に音も柔らかくなってきました。

 

現在私が学んでいる、そしてレッスンで教えている奏法では、指の第2関節から下と、手のひらの内側の指の付け根に近い部分の支えがとても重要です。

初心者の方にそれをわかっていただくために、最初は、中指1本で練習していただいています。これは、日本の大手楽譜出版社から出版されているロシア奏法の教則本の導入部分にも共通しています。

中指を使って、ある程度感覚がつかめてから、人差し指と薬指。5本全部使うのはその後になります。

私の場合、まず中指だけにするのには、もう一つ理由があります。

お子さんの場合、音符を読まずに指番号だけ見て、3の指はミ、2の指はレと弾いている場合があるのです。全部同じ指では、音符を読まなければ弾けません。

 

先ほどの生徒さん、とても譜読みに慣れるのが早くて、1ヶ月半で、ト音記号・ヘ音記号ともに、今の教材に出てくる音符をすらすら読めるようになっています。

ですから、単に5本の指を使って音を出していく、というだけなら、もっともっと進度は速くなります。

でも、後々のことも考えて、より美しい音で、より楽に弾けるようになるために、今の進度はゆっくりでも、手の使い方を学び、音の出し方を練習していきましょう、と付き添いでいらっしゃった保護者の方にもお話ししました。