2018.05.29
音の質を聞き分けていく
こんにちは。
音の響きを聞く。
自分が今出している音の質を聞き分ける。
簡単なようで意外に難しい。
私自身、大学時代に、「響きを聞いて。」とさんざん言われましたが、はっきりと理解できてはいませんでした。
ただ、「こんな感じなのかな?」というイメージが多少は持てたので、それが改めてロシアピアニズムを学ぼうと決めたときに、確かに生きてきました。
レッスンをしていて、お子さんは、理屈ではなくて感覚で弾く部分が大きいので、すっと入っていくような気がしています。
先日のレッスンでも、幼稚園の年長の生徒さん。
最初は鍵盤の下まで押さえて押さえて、頑張って弾いていました。
小さいお子さんにとって、ピアノの鍵盤はとても大変なものなのですよね。
ですから、「音を出すぞ」という気負いがあって、とても頑張る傾向があります。
もっと力を抜こうね。
手をぶらぶらさせて。
手をこう置いて。
と話していくうちに、音が変わってきました。
さらに、私が一緒に弾くと、その音の響きの違いを感じるのでしょう、さらに音が変わってきました。
だんだん「抜けた音」になってきました。
30分のレッスンの間に、ずいぶん音の質が変化したのです。
ついつい、「音符が読めること」「楽譜に書いてあることがわかって、音が出せること」に意識が向きがちですが、その出している音の質、音そのものが歌う、そして音楽を作っていける。
生徒さん達が、その部分にもしっかり意識を向けられるように、そんな思いで指導しています。