2019.06.06
自分の音をよく聴く
発表会の曲のレッスンが続いています。それぞれの生徒さんが、自分のペースで練習しています。
1人2曲選んでいるのですが、多くの生徒さんは、1曲めの譜読みが終わり、2曲めの譜読みを始めています。
pとppを弾き分けていく
グルリットの「こもりうた」を練習中の生徒さんがいます。この曲はpで始まり、8小節続きます。次にppになります。
一番強いところでもmfです。「こもりうた」なので、やさしく、穏やかな雰囲気が続きます。
弱い音というのは、強い音を弾くよりも、逆に難しいです。特に、小さな生徒さんは、「弾くこと」そのものに力を注ぐので、ついつい大きな音を出しがちです。
昨日の生徒さん、 p の出だしがとてもきれいにできました。弱い音で始められています。ただ、この音量だと、 pp になった時、どうなるかな?とちょっと気になりながら聴いていました。
3段目になった時、さらに小さな音になり、 pp で弾いていました。しっかり音量のコントロールができるように、よく聴きながら練習してきたのです。
小指と親指 ・ 左右のバランス
「今度は、次の段階だから、もっと細かい部分の話をするね。」ということで、レッスンでは、小指と親指の音量と、左右のバランスの練習をしました。
3拍子の曲ですが、左手の1拍目は5の小指で、2拍目と3拍目は親指で弾きます。どうしても親指のほうが力が強いので、1拍目よりも2・3拍目のほうが強く聞こえます。
よく聴きながらドソソミソソのド・ソが強くなるように、小指で弾く音が強くなるように練習をしました。最初は聴き分けながら弾くことが難しかったようですが、何回かやっているうちに、だんだんできるようになってきました。
次は左右のバランスです。右手は付点2分音符、左手は4分音符なので、左右で同じくらいの強さで弾くと結果的には左が強く聴こえてしまいます。
その練習も「よく聴いてね。」と言いながら、何回かくり返しました。だんだん聴き取れるようになってきました。
意識して聴く
「弾く」ことだけに意識をむけるのではなく、聴くことにも意識を向け、弾きながら聴くことができると、自分の演奏を客観的にとらえることができるようになります。
それは、練習の質を高めることにつながっていきます。「間違えずに弾けるかどうか」という部分だけでなく、「どんな音を出しているか」「自分はどんな演奏をしているのか」ということに気持ちを向けることができるようになっていくからです。
小さいうちから、自分の音を聴きながら練習する習慣をつけることで、練習の質が高まり、結果的に本番の曲の仕上がりも変わっていくのです。
これも、自然に身につくものではありません。「聴こう」と意識して練習をくり返していくことで身につくものです。「意識して聴く」習慣、大切にレッスンしていきます。