2018.10.15
オペラの伴奏から学ぶ
こんにちは。
昨日は、所属する「葵の会」の練習に行ってきました。
来年4月の定期演奏会に向けての準備が開始したからです。
次の定期演奏会は、第55回でもあり、また平成最後でもある、ということで声楽のメンバーが今までにも取り組んできたモーツァルトの「フィガロの結婚」と「魔笛」の中からアリアや二重唱を歌うことになっています。
私は、今回、「フィガロの結婚」の中のアリア・合唱の伴奏を弾くことになりました。
伴奏をホールの本番で弾くのは、ほんとうに久しぶりなので、少し緊張し、同時に楽しみでもあります。
もともとオペラは、出会いが素晴らしかった(プッチーニのボエームを、フレーニの歌で聴けた)ので、大好きです。
そこから、大学時代に、魔笛の1幕を練習して上演したこともあります。
ですから、今回の伴奏のお話は、ありがたくお受けすることにしました。
前回の打ち合わせでは、「フィガロの結婚」の中からは、全部で7曲。
途中で電話がかかってきて曲目の変更があって、あわてて楽譜のコピーに走ったり…ということもありましたが、とりあえず、何とか間に合わせて、昨日は出かけました。
ロシアピアニズムを学ぶことで、音の聴き方が変わり、空間に響く音をとらえることができるようになりました。
これは、伴奏にもとても役立つことを実感しました。
以前は、どうしても「自分の弾いているという指の実感」に意識が行きがちだったのですが、「空間に響く音」を意識すると、歌っている人の音楽も一緒にとらえることができやすくなります。
そうすると歌とピアノとで1つの音楽、という感覚を持てるようになります。
特に歌う人の人数が増えてくると、その違いがよく分かりました。
同時に、今回、歌詞の音韻・アクセントを勉強したことで、モーツァルトの音楽の流れがつかみやすくなりました。
歌詞のアクセントの位置が、小節の最初にくるように作曲されているのです。
これは、本当に見事としか言いようがありません。
モーツァルトは、イタリア語のリズムを完全に自分のものとして消化して音楽にしているのです。
これを学ぶことで、ピアノソナタの流れも意識がしやすくなりました。
1つ何かを学ぶと、それに付随して、いろいろなことが見えるようになってきます。
まだこれから、学ぶべきことはたくさんありますが、いろいろな蓄積をして自分の音楽の幅を広げ、さらに豊かに音楽を、ピアノを楽しんでいきたいと思っています。