音楽に表情をつけていく
こんにちは。
音楽に表情をつけていく、その意識を持つことはとても大切です。
2ヶ月限定、集中ということで、レッスンにみえている大学生の生徒さん。
大学で映画を撮影するサークルに入っていて、「ピアノを弾くシーンがあるんだけど、誰かやって!」と頼まれて引き受けたとのこと。
中学1年生までピアノを習っていたとのことですが、その後は弾く機会がなく、ブランクがあります。
中学校で吹奏楽部に入り、クラリネットを吹いていたとのことで、読譜力はしっかりしていました。
曲はパッヘルベルの「カノン」です。
もともとピアノの曲ではないので、ピアノ用に編曲されたものは、難易度別に何種類かあるようです。
その中で、御自分が選んだ楽譜を持ってきました。
撮影に使うのは、16分音符の連続がある部分。
撮影後、年が明けてから4年生とのお別れ会があって、そこで弾きたいとのことで、全体を練習しています。
そのお別れ会の時には、もう一曲「戦場のメリークリスマス」を弾くので合計2曲。
とても努力家で、コツコツ家でも練習し、頑張っています。
撮影日がもうすぐということで、昨日は「カノン」、しかも撮影に使う部分を重点的にレッスンです。
音を出す、という意味の「弾くこと」はできているので、さらに美しく、音楽的にということを考えていきましょう、というお話をしました。
16分音符の部分は、細かく動きますが音型や和声の変化を感じ取っていくこと、それによって音量を変えたり、微妙な間を取ったりという工夫をしていきます。
原則として、上行音型はクレッシェンドを、下降音型はデクレッシェンドをつけること。
和音の進行によって、緊張感が変わることをお話しし、私も実際に弾いてみせました。
その後、自分でやってみる、自分の感覚で音楽を作っていく、ということをしてみました。
何回か弾いているうちに、しっくりきたのでしょう。
曲の印象がずいぶん変わり、音楽が生き生きしてきました。
吹奏楽での経験もありますから、そのあたり、つかむのが早かったのだと思います。
「弾く」と一言で言っても、さまざまな要素があります。
でも、大切なことは、「美しい」と思える音楽を作っていくこと。
その意識が、演奏を大きく変えていきます。