細かく分けて、一つずつ
こんにちは。
昨日、レッスンにいらっしゃった保育士さん。
「北風小僧の寒太郎」を練習しています。
前回のレッスンでは、左手の部分の譜読みを一緒にやりました。
「ちょっとしか練習出来なかったんです…」とおっしゃっていました。
それはそうだと思います。
8時~17時が一番中心となる勤務時間だそうですが(昼食も含まれていますね)、通勤に往復約2時間。
実際に自分自身が自由に使える時間がどれほどあるか。
さらに疲れてしまったとき、自分が「苦手」と感じているピアノに取りかかるパワーがどれだけ残っているか。
それを考えると、「ちょっと練習した」というだけでも、頑張っていらっしゃると思います。
左手の部分を聞かせてもらいました。
前半はスムーズに進み、なかなか良い感じです。
後半、「冬でござんす」の少し前から、滞ってきました。
そこで、リズムは後回しにして、和音だけ練習することにしました。
「手が覚えるまでこの練習をします」ということで和音だけ。
それも、最初は2つから。
この曲は1小節同じ和音なので、2小節だけ。
何回かくり返すうちに、その2小節はスムーズに弾けるようになってきました。
次は、その2小節を楽譜通りのリズムで弾いてみます。
スムーズに移動できます。
「でも最初から弾くときっと弾けません。」
「いきなり最初から弾くのではなくて、1小節(あるいは、和音が変わらなければ2小節)ずつ、前にさかのぼって、弾く量を増やしていきます。」
「なるほど。」
右手部分も、練習を始めます。
楽譜を読むことが難しい、という苦手意識をお持ちなので、「北風小僧の寒太郎」については、階名を書き込むことにしました。
「読めない」とおっしゃっていたのですが、全然迷うことなく、さっと階名をふることができました。
フラットには赤丸をつけました。
その後、弾いてみて、リズムが難しいと言うことでしたので、リズム打ち。
ただ、この曲は、タイもあるし、タッカのリズム(付点8分音符と16分音符)が多いので、逆にリズム打ちは難しく感じられたようです。「難しい」という気持ちがあると、それが抵抗になって、練習したくなくなるのが人間というもの。
私が弾いている動画を撮り、それに合わせて階名を歌うというところから始めることにしました。
音だけ聞いて歌うのなら、通勤時間でもできます。
帰り際「ピアノのイメージが変わってきました。前ほど嫌ではなくなってきました。」とおっしゃっていただきました。
できるだけ、ステップは小さく。できたことに目を向けていく。
上達するためには、これがとても大切だと考えています。