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2018.02.25

カーリング本橋選手の言葉

こんにちは。

平昌オリンピック、マススタートの高木選手の金メダル、カーリングの銅メダルとすごい結果が続いていますね。

高木選手のインタビューからは、冷静に状況を見ていた様子がよく分かり、あの大きな舞台でそれができていることが、本当にすごいな、と思いました。

それができるだけのトレーニングを積んだからこその言葉、その言葉の裏にある努力の重みを感じました。

 

カーリング、私もルールさえよく分からないのですが、今回出場したLS北見というチームを創設し、今回もキャプテンである本橋麻里選手の8年前インタビューが、非常に興味深いと思いました。

世界が驚くカーリング女子。チームを作った本橋麻里「8年前の想い」

8年前にこの「想い」があり、それが今回の結果につながった、ということが非常によく表れている記事だと思いました。

特に印象に残っている部分をあげてみますね。

また、(優勝したスウェーデンチームの選手たちとの)選手村に入ってからの過ごし方にも日本との差を感じました。ものすごくリラックスしていて、五輪を完全に楽しんでいるんですよ。そうしたことも含めて、アイスの上(の技術)だけではない、メンタルの部分での見直しが必要だと痛感しました

最初に会ったとき『何でも言い合っていこうね』という話をしたら、いちばん年下の吉田(夕梨花)さんがすぐに『麻里ちゃん、私、何でも言うからね』と宣言してくれたのもうれしかったですね。

そうやって本音を言ったり、聞いたりすると、すごくスッキリするんです。そこから何かポジティブなことも生まれます。

年齢とかキャリアとかは関係なく、極端なことを言えば、選手じゃない人からでも学べる。そのことに気付いた今、一瞬一瞬がとても面白い。

個人的にはカーリングが好き、楽しいという気持ちを高めていく時間だな、と考えています。

自分自身を非常に冷静に見つめ、自分自身を変えていくために「行動」していること。

本音を言い合うことを大切にしていること。

他の人との関わりの中で、どんどん自分自身を高めていること。

そして何よりカーリングを楽しもうとしていること。

 

そのまま、ピアノにも、生き方にもつながると思い、素晴らしい言葉に出会えて幸せです。

 

2018.02.24

手の筋肉について調べてみました

こんにちは。

ここのところ、オリンピック選手のインタビューを見たり、解説者のお話を読む(聞く)機会が増えました。

スポーツのトップ選手は、当然のことながらご自身の身体の使い方をとてもよく分かっています。

 

では、私たちピアノを弾く者はどうでしょうか?

私の場合は、若い頃、全然考えていませんでした。

痛みが出て「腱鞘炎だ」となっても、湿布をしたり練習を休んだり、という程度で筋肉の動きそのものを考えることはありませんでした。

 

今の奏法に出会って、屈筋を使うこと、虫様筋を使うことを教えていただき、指の筋トレを始めましたが、自分自身でどの筋肉をどう使っているのか、まだ理解が少なかった気がします。

ここのところ上半身・下半身・体幹の筋トレを少しずつやっていますが、本を見ると「上腕二頭筋」「上腕三頭筋」等、どの筋肉を鍛えるのか具体的に書いてあります。

なるほど、そういう意識を持つと、ピアノの演奏も変わってくるかもしれない、と思って少し調べてみました。

 

虫様筋は「指先でつまんだり、指を伸ばしたまま付け根だけ曲げるなどの動きに関与する」筋肉です。

ですから、私の先生がレッスンの時、「塩をつまむような感覚で」と言うことがあるのですが、これは虫様筋を使う意識を持つために必要な言葉だったわけです。

「指を伸ばしたまま付け根だけ曲げる」動きは、意外に日常生活の中で意識していません。

ですから、ピアノを始めて間もない生徒さんはこの感覚を持つのに時間がかかります。

手の甲側の関節が出るように、というと少し分かってもらえます。

指人形を使って遊ぶと、小さいお子さんも感覚がつかめそうです。

今度作って試してみます。

 

腕の内側の筋肉では、浅指屈筋と深指屈筋を使っていそうです。

私自身、腕の下側の筋肉がまだ弱い、と自覚しているのですが、「指の屈曲動作は殆んどこの二つの筋肉で行われていると思っても良い」「テニスボールを握りつぶすような動作で鍛えることができる」というのを読んで、この筋トレもやってみようと思いました。

同じことをするのでも、筋肉に力があれば、ずっとやりやすくなります。

意識していくだけでも違ってくるそうなので、やれることからやってみようと思います。

 

生徒さんの成長が実感できた場面

こんにちは。

もしかしたらまた雪?と思っていたのですが、雨でちょっとほっとしています。

 

今日は、生徒さんの成長が目に見えて実感したことについて書きますね。

私は、ずっと中学校で教えていましたから、生徒がある「何か」をきっかけに、ぐっと成長する場面をたくさん見てきました。

「何か」が何であるか、いつその「何か」がくるか、それは分かりません。

友人との関わりであったり、行事で役割を果たしたことであったり、部活動での活躍であったり、ある授業の内容に興味を持つことであったり、本当にタイミングも内容も様々です。

でも、30年中学生を見続けてきて、一人の生徒が大きく変わる場面は必ずある、と言い切ることができます。

その実例を心の中にたくさん持っている、というのが私の指導の支えになっています。

 

特に小さいうち、育児書などに「○歳児はこんなことができるようになります。」という記述があると、うちの子はどうだろう?と思うこともあるかもしれませんが、これはあくまで目安に過ぎません。

小さいお子さんは、当然のことながら中学生よりもはるかに個人差が大きいです。

個人レッスンの良さは、一人一人の生徒さんの状態に応じて柔軟に対応できるということにあります。

特に、ピアノを弾くことについては、指がある程度使えるようになることがとても重要です。

無理をして弾くと、手の形や音の出し方に影響します。

最初はゆっくりに感じられても、良い手の形を意識できるようにしたり、良い音を聞き分ける耳が育っていたりするほうが上達は早くなります。

 

昨日、レッスンした幼稚園の年中さん。今4歳、もうじき5歳になります。

ずっと中指を中心に弾いてきました。

そろそろ中指を使ったときの「支え」の感覚がつかめてきたようです。

生徒さんが指の支えを意識して弾いている、という感覚が伝わってくるようになったのです。

昨日から他の指(人差し指と薬指)も使って弾くことにしました。

お母さまが「幼稚園のピアニカのときにも、手をこうやって弾くようにしている、と言っているんですよ。」とおっしゃっていました。

この形が良いからこう弾こう、という意識が持てるようになっているのですね。

 

 

一つ一つは小さい積み重ねでも、ある時、ぐっと成長が感じられるようになる。

また一つ、そんな場面を見ることができました。

2018.02.22

自分に許可を出す

こんにちは。

 

今日は、自分のやりたいと思うことをやってみる、ということについて書いていきます。

「ピアノを弾いてみたいけれど…」と思っている人は、たくさんいらっしゃるのではないかと思います。

「楽器がないし。」「お教室がどこにあるかわからない。」「お月謝が高い。」

できない理由が次から次から頭に浮かびます。

 

とてもよくわかります。私もそうだったからです。

「子育てと仕事(後半は介護も)で目が回るほど忙しい。いつ練習するの?」

「レッスンだっていつ行ったらいいの?」

「そもそも、今レッスン再開しなくても、楽しんで弾くだけなら何とかなるじゃない」

母が亡くなった後、「人生には終わりがある」としみじみ思いました。

ではどうする?

「ピアノを弾きたい」と文字通り降りてきた感じがします。

そこで一歩踏み出したのですが、その時は、もう迷いやできない理由を探すことはまったくありませんでした。

自分に許可が出せたのだと思います。

コーチングやカウンセリングではよく使う「自分に許可を出す」という言葉ですが、自分自身にこうしてもいいと決められる、ということです。

そして紆余曲折ありながらも、自分の本当にやりたい方向にたどり着けました。

 

 

先日おみえになった生徒さん、今までは、曜日と時間がなかなか定まらなかったのですが、ここのところで、だいたい決まってきました。

あわせて、月謝のコースにすることも決め、こんな曲を弾いてみませんか、とお見せした楽譜にも、とても乗り気で次回までに私が用意することになりました。

帰り際に「私、やっていいんだ、と思えるようになったんですよ。」とおっしゃっていました。

ご自分に「ピアノをやっていいんだ」という許可を出せるようになったのですね。

 

別の小学校高学年の生徒さんも、先日「次は○○が弾きたい」と言いました。

教本に載っている曲はあまり好みではなさそうだ、ということは分かっていたので、本人がどんな曲を弾きたいと思っているのか、私も手探りでした。

きっと、「ここはクラシック曲のピアノ教室」と生徒さん自身が思っていたからかもしれませんが、今までは、「どんな曲が好き?」と聞いてもあまりはっきりした答えが返ってきませんでした。

ここでも、「自分のやりたい曲を言っても良い」という許可を自分に出せたのでしょうね。

 

それが言えるようになるまで、お二人とも4~5ヶ月かかりましたが、ここから生徒さん自身が主体になってピアノに向かうことができるようになります。

最初のうちは、ご自分でも方向性がわからなかった、というのが正直なところかもしれません。

レッスンに来るようになった一歩、そして次に自分に許可が出せて自分が主体となってピアノに向かう一歩。

ピアノを学ぶというのは、その内容だけではない、心の変化というのもあるのです。

 

2018.02.21

オリンピック選手の言葉から学ぶこと

こんにちは。

ふと気がつくと庭の福寿草の花が、次々開いています。最初の写真が10日前。これだけ開くと存在感が全然違います。

 

ほんの少しの身体の使い方の違いで、音が変わっていく。

そんなことを実感している毎日ですが、フィギュアスケートオリンピック2連覇の羽生結弦選手の言葉には、勉強になることがたくさんあります。

今、まさに時の人で、色々な記事をたくさん読むことができるので、チャンスと思っています。

例えば「発明ノート」と名付けたノートをつけていること。

羽生は、コーチに受けた指導や体の動きで気づいたことをノートに書き、整理し、分析する習慣があるという。

「小学2年生のとき、コーチに『ノートをつけなさい』と言われ、つけ始めたのがきっかけだったそうです。今でも体の動きやタイミングを整理し、言葉にして記録に残しておく。羽生はその能力が高い。ジャンプが成功したときの共通点は何か。足や腕の位置などをずっとメモする。コーチに聞いたり、ほかの選手を見たり、家族の話を聞いたり。いろんな材料をいっぱい集める。そこから絶対必要なものを絞り込む。ジャンプ成功のために絞り込んだポイントを『最大公約数』と彼は呼び、再現していく。金メダルはその分析力が発揮された成果でしょう

2連覇・羽生結弦は“ただの天才”ではない…恩師が見た荒川静香との違い 2018年3月2日号

記録を取っていくことは、後でふり返る上でとても大切です。

あわせて「無意識」に「なんとなく」やりがちな「身体の使い方」を言葉にすることで「意識」して行えるようになり、再現しやすくなるというメリットがあります。

 

あるいは、野村萬斎さんとの対談。

野村萬斎さんの「型は自分で解釈していくものだと思います。」

「この型に何の意味があるのかな、というのを分からないというか、放っておかないで…」という言葉(この後、実際に野村萬斎さんが陰陽師の最初の部分のポーズをしてみせながら具体的に補足をしていらっしゃいますが)を受けて、

羽生選手は

「自分がその振りにどういう意味を込めてやっているのか、ということですよね。」

と返しています。

こういう点も、音楽を作っていくところと全く同じです。

この対談もとても勉強になることがたくさん!

 

ということで、一つの道を極めた人たちの言動からは、本当にいろいろ学ぶところがあって、改めてすごいなと思っています。

あわせて、それをどう自分自身に生かしていくのか?ただ「すごい!」に終わらせず、どう行動していけるのか、というところ。

こちらのほうが大きい、改めてそんなことも考えているところです。

2018.02.20

1日に1㎜

こんにちは。

昨日は、御茶ノ水にレッスンに行ってきました。

レッスン前、ほんの少し時間があったので、神田明神にお参りしてきました。

本殿わきのしだれ梅がきれいに咲いていて、春を告げていました。

帰り道、自宅近くの道路でも、蝋梅の良い香りがして、思わず立ち止まってしまいました。

もうすぐ春がくるのだなあ、としみじみ感じました。

 

レッスンでは、毎回少しずつ手の使い方、身体の使い方と響きとの関係を調整していきます。

音楽的なこと、例えば「ここはこう弾きなさい。」「ペダルはこう使うのが良い。」という話は基本的にありません。

最初の頃は、ピアノのレッスンはそういうことを教えてもらうのが中心だと思っていたので、戸惑いました。

レッスンを受け始めた最初の2年くらいは、本番間近なのに音楽がまとまっていない、と先生が判断された時だけ「僕だったらここはこう弾くけど。」と言いながら教えてくださった時がありましたが、今は本当に何も言いません。

演奏する者自身が、そこは自分の感性と勉強で何とかしていくべきもの、という姿勢なのです。

だからこそ、私がどう弾きたいと感じているのか、ということをとても注意深く聴き取ってくれます。

そして、「その部分で、そのイメージの音を出したいのだったら、こう手を使うと良いのではないか。」というアドバイスをしてくれるのです。

また、音型によって手の支えが甘くなり、響かない音がある場合にも指摘してくださいます。

 

昨日も、細かい部分の響きの修正をしていただきました。

前回、「ゆっくり」「響きを聴きながら」「もっと細部のイメージを明確に持てるように」弾くという課題をいただいていたのですが、これは永遠に終わりのないものです。

4月の本番までに、自分はどこまでできるのか。

自分自身の今の力で、このモーツァルトの1音1音を、どこまで磨いていくことができるのか。

結局最後は自分自身と向き合うことになります。

1日ほんの1㎜前に進むという感じ。実際には進んでいるかどうかも分からない。

でも、時にふり返ってみると、少し前に進んでいると実感できる。

そんなイメージでしょうか。

今日も、1㎜前に進めるように、練習していこうと思います。

2018.02.19

バラード1番を弾いて楽しむ

こんにちは。

平昌オリンピック、フィギュアスケートでの羽生選手、宇野選手の演技、本当に素晴らしかったですね。

テレビがないので、ネットで後から見たのですが、あの緊張感の中で自分の持つ力を出し切れる、その精神力にはすごいとしか言いようがありません。

あの美しさも。

同じジャンプであっても人によって形も違うし、人に与える印象が全く違う、ということが改めてよく分かりました。

 

さて、ピアノを弾く者としては、音楽も気になるところです。

特にピアノ曲が使われているとなれば、どうなっているのかな?という興味もあります。

今回羽生選手がSPで使ったのは、ショパンのバラード1番。

羽生選手のあの美しい演技。

音楽の世界をこういう形で表現しているのだな、という見方もできます。

 

ショパンにはバラードが4曲あります。

どれも本当に美しい曲で、私は大好きです。

(ちなみに、スケルツォも4曲あってこれもとても美しくて、大好きです。)

ピアノが弾けると、こういうときにやっぱり楽しい。

何だか久しぶりに弾いてみたくなり、思わず本棚から楽譜を取り出し、弾いてみました。

本当に久しぶりで、最初はあらら、という感じでしたが、でも弾いているうちに、少しずつ手が思い出してくれました。

ずっと以前に、奏法を変える前に弾いていたので、その時に比べるとずっとスムーズに手が動くようになっています。

特に最後の辺りは、弾きやすさが全く違いました。

 

ということで、羽生選手に便乗してしまいましたが、こういうこともピアノを弾ける楽しさの一つです。

2018.02.18

電子ピアノ弾き比べ④

こんにちは。

昨日、カワイ表参道に行ってきました。

何せ、表参道に行くのはいつ以来?という状態だったので、駅すぐそばなのに行き着くまでに時間がかかってしまいました。

 

今回の目的はCA58という新発売の機種を弾くこと。

まず、弾かせていただきました。

確かに、タッチの感じはCA9800GPとは違います。

ローランドのタッチに少し近くなります。

「底」に触れる感じがふわふわしていて、分かりにくい印象です。

音は、鍵盤の浅い部分でも鳴るので、聞こえてくる音がスカスカになるという感じはしません。

残念ながら、響きを感じることは難しいと思いました。

その点では、ローランド、YAMAHAとあまり変わりません。

 

その後で、お話を伺いました。

鍵盤そのものは、島村楽器さんで弾かせていただいたCA9800GPとほぼ同じ仕組みだけれども、長さが違うとのことでした。

実際に比べてもらうと2㎝くらいCA58の方が短くなっていました。

その分、鍵盤の奥で弾いた感じが、CA98(島村楽器さんのCA9800GPとほぼ同じ)のほうがピアノに近くなるのだそうです。

CA78というのも弾かせてもらいました。

これは、CA98と鍵盤の仕組みは同じ。背面の響板スピーカーはありませんが、オーディオメーカーのONKYOのスピーカーを使っているもの。

こちらでは、少し響きを感じられたので、スピーカーの性能によるところが大きいのだということが分かりました。

また、基本的に、どの楽器も一番標準的なタッチで弾き比べてきたのですが、当然、タッチ感を調整する機能もついています。

CA78、CA58とも、それを変えて弾かせてもらうこともできました。

私のピアノを考えると、一番軽いタッチにするくらいでちょうど良い感じでした。

 

お店の方には、いろいろお話を伺うことができました。

その中で印象にのこったことは、CA78やCA98ですと、スピーカーとしてもかなり優秀なので、例えばiTunesにあるピアノ曲を再生して聴くと、美しいというお話でした。

特に古い録音のものを聴いたときに、みごとにノイズが消えていたので驚いたのだそうです。

 

カワイ表参道の方も、島村楽器さんのピアノコーディネーターの方もおっしゃっていたのですが、「電子ピアノとピアノとは違う」ということ。あくまでも電子ピアノは、録音した音を再生していく楽器であること。

本当にその通りだと思います。

それをふまえた上で、何を求めていくのか、ということを意識して選んでいく必要があります。

私の場合には、その基準は、タッチ感・音の鳴り始めるポイントと音の響き方だったわけです。

その基準でいくと、やはりCA98、CA78。だいぶ差があってCA58というところだと思いました。

2018.02.17

電子ピアノ弾き比べ③

こんにちは。

一昨日昨日に引き続き、電子ピアノ弾き比べです。

KAWAIのCA9800GPです。

KAWAIは、ららぽーと冨士見の中の島村楽器店さんには、最上位機種のこれしか置いてありませんでした。

ただ、前回、杉田楽器さんでの弾き比べでは、弾いた感じが一番ピアノに近いと判断していたので、比較のために弾かせていただきました。

 

アクション部分の構造がグランドピアノと同じ、ということですが、実際に弾いてみて、今回もこの楽器が一番上から音が鳴り始めるということを確認できました。

もちろん、ローランドやヤマハと同じで、ある一点を過ぎるといきなり音が大きくなるという傾向はあります。

ただ、浅いところでもそれなりに音が出るので、モーツァルトを弾いてもスカスカにはならず、ある程度のニュアンスをつけることができました。

少しですが「響き」を感じることもできます。

ただ、この「響き」については、今回弾かせていただいた最上位機種のみ、楽器本体の背面に響板スピーカーシステムが使われていることと関係しているように思います。

アコースティックピアノの迫力ある音は、弦の振動が響板に伝わることで生まれます。CA98はこのアコースティックならではの美しい響きを再現するため、ピアノ本体背面にTWIN DRIVE 響板スピーカーシステムを搭載しました。
響板スピーカーは、加振器により響板を実際に振動させて音を発生させます。
このTWIN DRIVE 響板スピーカーシステムは同じくオンキヨー株式会社と共同開発した、低音域用、中高音域用と、音域別に異なる二つの加振器を備え、さらに響板を支える響棒の本数や角度を最適化したことで、より広い帯域で響板を振動させることに成功しました。

河合楽器製作所 CA98製品情報

前回、杉田楽器さんでも、試弾したのはこの機種でした。

そしてその時にも、この機種にインシュレーターを入れることで、ある程度の響きを感じつつ練習が可能だということを書いたのでした。

ただ、これは前のローランド、YAMAHAの2機種と同グレードではありません。価格的にだいぶ上になります。

お店の方に伺うと、ローランド・YAMAHAと同グレードのCA58という機種が、2月16日(昨日ですね)に発売になること、背面スピーカーシステムはないけれど、鍵盤の仕組みは同じであることを教えてくださいました。

 

これはこの下位機種を弾いてみなければ結論は出せない、と思いました。島村楽器さんでは展示の予定はないとのこと。

いろいろ調べてみると、カワイ表参道には展示されていることが分かりましたので、それを弾きに行くことに決めました。

さあ、どんな感じでしょうか。

 

今回、3機種の弾き比べをして、それぞれのメーカーさんが本当に頑張って開発していることは理解しつつも、電子ピアノとピアノとの大きな違いを感じました。

やはり「可能ならぜひピアノを!!」「電子ピアノと決めずにぜひアップライトピアノを選択肢に入れてほしい!!」と思いました。

2018.02.16

電子ピアノ弾き比べ②

こんにちは。

昨日はとても暖かかったのに、今日は雲が多くて寒々していますね。

 

昨日の電子ピアノ弾き比べの続きです。

昨日も書きましたが、これは、私が今の奏法で弾いた時の感想です。

多くの日本のピアノ教室で指導されている奏法とはかなり違うので、そこはご理解の上、お読みください。

YAMAHAのSCLP-6450

クラビノーバは、ずっと以前、私も持っていた時期がありました。

ですから何となく親しみがある感じがしています。

実際に弾いてみた感想です。

「底」が分からない、触れないという感覚は、ローランドを弾いた時と同じでした。

そこで、自宅ピアノでの手の感覚を頼りに、モーツァルトを弾いてみました。

残念なことに、モーツァルトの軽い音を出すための浅いところをねらった弾き方では、そもそも「音が鳴らない」状態になってしまいました。

特に、16分音符の連続では、音が抜けてしまいます。さらに鳴った音もスカスカという感じです。

ねらうポジションを深めにバッハを弾いてみました。

まだ、思うように鳴りません。

ただ、あるポイントを過ぎるといきなり大きな音が出る感じがしました。

1音ずつ、どの辺りで鳴るのかな?と探ってみました。

ずっと深いところ、鍵盤の本当の底にあたると音が出ました。

この鳴り始めるポイントが深いのですね。

YAMAHAの記事の中に、開発に当たった人が次のように述べている部分を見つけました。

「従来の電子ピアノでは弾きにくさを感じることもあった鍵盤の奥の部分も、自然な弾き心地が得られるようになりました。さらに、鍵盤に触れてから押し切るまでの安定性を高めることで、鍵盤を押し切ったとき、底でしっかり止まる手ごたえを得られるようになりました」と、開発プロデューサーの尾藤栄里子さん。

楽器探訪 Anothertake

「鍵盤を押し切ったとき、底でしっかり止まる手ごたえを得られる」ことを重視しているわけです。

今の私の奏法で「底」という感覚は、鍵盤の本当の底を手ごたえを感じるまで押さえる、というのとは違います。(だから、昨日から「底」と「」つきで書いているわけですが)

というわけで、今の私の奏法では、残念ながらとても弾きにくい楽器ということになってしまいました。

ペダルはとても自然で、左のペダルは音量だけでなく、音色も変わるのですごいな、と思いました。

またまた長くなってしまいましたので、カワイのCA9800GPは、明日また書きますね。