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2018.06.14

「羊と鋼の森」の映画を見てきました

こんにちは。

昨日、「羊と鋼の森」の映画を見てきました。

前回のレッスンの帰りに寄ったヤマハ池袋店にポスターが貼ってあり、気になっていました。

 

映像がとても美しい。

季節の変化も、音のイメージも。

悩みながらも、ひたすら音と向き合う若い調律師さん。

彼の周囲にいる先輩の調律師さんたち。

そしてピアノを大切に思っている人達。

 

先日、レッスン室の調律の一部始終を見せていただいていたので、その緻密な作業の様子や音のイメージについての会話など、実際の調律の場面と重ね合わせて、とても興味深く見ました。

一番主要なエピソードは、高校生の姉妹との関わりですが、私にはもう一つ、とても印象に残った部分がありました。

それは、主人公外村さんが始めて一人で調律に行った、アップライトピアノの部分です。

 

以前の調律は14年前。

ピアノの上にも、ふたの上にも、椅子の上にも楽譜が置いてあり、使われていない様子を表しています。

そのピアノの内部にあるピンを外村さんは1本ずつ磨いていきます。

実は、レッスン室のピアノでも同じ作業をやってくださっていて、その磨く作業一つとっても88回同じことをくり返していくわけです。

しかも、磨いたり調整したりする箇所はたくさんあります。

そこにかける時間とエネルギー。(映画ではあっという間なのですが、実際は大変です!)

それがピアノの持ち主の止まった時間を動かしていきます。

 

ピアノはいろいろな音を出すことができます。

調律師さんは、ピアノを弾く私たちを助け、出したいイメージの音を共有して調整してくれます。

私のレッスン室のピアノを調律してくれている調律師さんも、とても真摯にピアノと向き合っていらっしゃいます。

ピアノを弾く方は、ご覧になるとそれぞれの体験と重ね合わせ、また違う角度でピアノを見ることができるのではないかと思います。

2018.06.13

練習の「仕方」を考える

こんにちは。

一昨日は久しぶりに何も予定のない1日だったので、ピアノがたくさん弾けました。

やっぱりピアノを弾くのは楽しいですね。

とはいえ、今、フォーレのノクターン2番の譜読み中。

私の師匠が言う「手になじむ」状態になるには、まだまだ先が長そうです。

 

手の使い方を考えつつ、指遣いの確認。

ようやく最後のページまでそれを終え、さて実際に弾き始めると…。

修正すべき点が見えてきました。

ここは左手で取るより、右手を使った方がいい。

ここは左手の動きを考えると、右手の指遣いを変えたほうがいい。

黒鍵は4が良いと原則しか考えていなかったけれど、実際弾いてみると内声があるので届かなかった。

いろいろなことを想定して、次はもっと慎重に指遣いを考えたほうが良いと気付きました。

これもやってみたからこそ分かったこと。

 

前回のレッスンでみていただいてある前半も、まだ「手になじんで」はいないので練習。

音の数はそう多くはないのに、どうしてこうたくさんミスタッチをするのだろう?

以前、とても上手に弾く方から伺った「片手が難しいところこそ、逆の手の練習をしっかりする」ということを思い出しました。

細かく動く右手ばかりに意識がいっていたので、左手の練習を改めてすることにしました。

その後、両手を合わせるとかなり弾きやすくなりました。

 

練習をするときに、練習の「仕方を工夫していく」「自分の状態を自覚していく」こと。

ついつい、「この部分を弾きたい」だけになってしまいますが、次につなげるためには大切なことです。

そこに改めて気付かされた時間となりました。

2018.06.12

弾けるようになるには?

こんにちは。

レッスンのとき、特にまだ始めて日の浅いお子さんには、できるだけ○をあげられるようにしたい。

やはり、小さいお子さんの場合、○をもらえた!ということも「楽しい」という気持ちになるための大きな要素だからです。

 

そのための練習。

先日のレッスンで、○にならなかったお子さん。

やはり「今日、○もらえなかった。」と寂しそうでした。

う~ん。

どうしたらいいかな?

 

2つ理由が考えられました。

一つは、音符がきちんと読めていないこと。

もう一つは、完成形のイメージがつかめていないこと。

 

そこで、次のレッスンからは、音符カードを使ったクイズで、音符の確認を多く入れていくことにしました。

もう一つ、新しい曲の階名を確認するとき、書き込みました。

でも、それだけでは、音符を読まずに書き込んである文字を読んでしまいます。

その書き込みの上から、紙の付箋を貼って、書いた文字が見えないようにしました。

「どうしても分からないときは、その時だけちょっと見ていいよ。でも、はがさないでね。」

「どうして貼っちゃうの?」

「音符を覚えて弾いてほしいからね。」

ということで、納得してもらいました。

 

完成形のイメージづくりは、弾きながら歌う時間をできるだけ多く取ることにしました。

今後は、私が弾いた動画を活用することも考えています。

今回の目標がどこなのか。

漠然としていては、努力の方向性もわかりません。

 

実際の生徒さんを前にして、良い方法を試行錯誤しながらレッスンしています。

その工夫を考えていくのも、また楽しいことです。

歌を使って楽譜とピアノをつなぐ

こんにちは。

楽譜という「紙に書かれたもの」から、ピアノを使って「音を出す」「音楽にしていく」

このプロセスは、初めてピアノに触れるお子さんには、難しいものかもしれません。

私が「ピアノひけるよ!ジュニア」を使う最大の理由がそこにあります。

一つ一つの音符だけでは、「曲」にしていくプロセスが見えにくい。

そこに「歌をうたう」という活動を入れていくことで、「こう弾けばいいのかな?」ということがわかっていきます。

 

先日レッスンした小学校1年生。

「バケツのあな」を練習しています。

前回のレッスンで、音符を一つ一つミドソラドソ…と確認していきました。

今回のレッスンで聞かせてもらうと、一つ一つの音符を弾いている感じ。

 

この歌は知らないということだったのですが、前回は、簡単に1回歌っただけでした。

そこで、一緒に歌うことにしました。

3回一緒に歌って、その後、リズム打ちをしながらまた歌いました。

「カスタネットとタンバリンとどっちが良い?」と聞くと「カスタネットが良い!」

ということで、カスタネットを使ってのリズム打ち。

「じゃあ、先生がタンバリンでやるね。」と一緒に歌いながら、リズム打ちをしました。

 

だんだん楽しくなってきて、「タンバリンでもやりたい。」

と次に、私が持っていたタンバリンと交換。

タンバリンでもリズム打ちをしながら歌いました。

その後、ピアノで弾いてみると、今度は3拍子のリズムにのって「曲」になっていました。

 

こういう経験を積み重ねていくことで、知らない曲でも「曲」として捉えていく力が養われていきます。

そして、弾ける楽しさ、音楽を作る楽しさをたくさん味わってほしいと思っています。

音の質を聞き分けて曲に生かしていく

こんにちは。

音の質を聞き分けていく耳。

できるだけ早い段階からその練習をしていければ、と考えています。

 

先日の小学校6年生のレッスンの時。

学校の伴奏オーディションにチャレンジし、みごと合格した生徒さん。

前回までのレッスンで、伴奏曲はとても上手に仕上げていました。

その後も練習を重ね、今回のレッスンではさらに美しく音楽的に弾けるようになっていました。

 

音の質についても、今回はかなり気を配っている様子が分かりました。

「強いときと弱いときでは、力のかけ方はどう変わってきますか?」

こういう質問からも、身体の使い方にとても気を配れるようになっていることがわかります。

音の強さ・質によって、肩からかけることも、ひじから・手首からと身体のイメージが変わってきます。

その辺りのお話をして、同時に音の質がどう変わるか、聞いてもらいました。

 

上から下へ力を入れていく。

指の先の一点に力を集めたイメージで弾く時の音。

手前から向こうへ力を入れていく。

鍵盤にはさっきよりもう少し指先の広い部分が触れている時の音。

向こうから手前へなでるように手を使う。

鍵盤にはさらにもっと広い部分が触れる時の音。

 

それぞれ音色が違います。

生徒さんも「全然違う」と言っていました。

「曲によって、さらに曲の中でもフレーズのイメージによって、弾き分けていく。例えば、プレインベンションだとこの音を中心に。ショパンだとこういう音を多く使って…。」と続けてお話をすると、

「楽しそう!」

そう、その通りです。

この弾き分けが意識できて、曲の中で使えると、工夫の余地がとても増えて楽しいのですね。

その部分をとらえることのできる感性。

楽しめる気持ち。

これからもっともっと成長していきます。

ゆっくりから始める

こんにちは。

ついつい知っている曲だと、最初から「耳で聞いて知っているテンポ」で弾きたくなりがち。

特にお子さんはそうですね。

ただそうすると「次、何の音かわからない」「右手と左手があわない」などトラブルが起こります。

そして「難しい…」ということになってしまいます。

 

小学校3年生、2回目のレッスンの生徒さん。

お引っ越ししてきて、ピアノは今までも習っていました。

今はミッキーマウスマーチの途中です。

前回のあと、忙しくて、あまり練習時間がとれなかったとのこと。

 

前半は4月5月中にしっかり練習できていたので、なかなか良いテンポで弾くことができます。

そのテンポのまま、後半を弾こうとして「あれあれ?」となってしまいました。

とてもしっかりしたお子さんなので、一度最後まで弾いた後、「どこが弾きにくい?」と聞きました。

すると、コーダの部分が難しいとのこと。

 

ミッキーマウスマーチ。

基本的にマーチは2拍子ですが、このミッキーマウスマーチの楽譜は八分の六拍子で書かれています。

(今、調べてみたら、2拍子の楽譜と八分の六拍子の楽譜が見つかりました)

そして、ずっと♩♪♩♪|♩♪♩♪|♩♪♩♪|♩♪♩♪|(なぜか八分音符が大きいですね)のリズムが続きます。

ところが、コーダになると同じ音型が付点四分音符で出てくるのです。

そこのリズム感がつかみにくかったのですね。

 

2拍取りだと難しいと思ったので、6拍数えてゆっくり練習することにしました。

まず、右手と左手とそれぞれ別々に練習。

音が頭に入ってから両手。

何回か練習すると、両手がスムーズに動くようになってきました。

それからだんだんテンポを速めていきました。

かなりテンポが速く弾けるようになったところで、コーダに移る前の部分からつなげて弾いてリズムを確認していきました。

 

これも最初は前半部分をあえてゆっくりと6拍数えて、コーダまでつなげていきます。

できるようになったらだんだん速くして。

短時間でスムーズに弾けるようになりました。

知っている曲だけに、最初からマーチのテンポで弾きたくなっていたのですが、ゆっくりから段階を追っていくと、結果的に短時間で弾けるようになります。

お家での練習も、段階の説明をもう一度して、「わからなくなったらゆっくりね。」とお話ししました。

楽しんで練習をしてもらえると良いな、と思いつつレッスンを終えました。

成長する1年生

こんにちは。

小学校1年生の生徒さん。

小学校に入学して2ヶ月。

ピアノのレッスンを始めてからも2ヶ月。

昨日のレッスンで成長著しいと実感しました。

 

音楽ドリルも昨日はドレミファソラまで進みました。

前回課題だったミとソの区別、ファとラの区別。

カードを使ってクイズで確認しました。

バッチリ、正解。

 

ピアノでも、この音符は?と確認してから弾くのですが、「これはド。これはファ。」としっかり答えてから弾くことができました。

新しい曲でも、音符が正しく読めて、一緒に4拍ずつ数えながら弾くことができました。

お家でお母さまも教えてくださっているとのこと。

音符の色塗りも慣れて上手に塗れるようになってきましたし、集中力もずいぶんついてきました。

1年生のこの時期。

いろいろなものをどんどん吸収して成長していきます。

また、これからのレッスンも楽しみです。

2018.06.07

指遣いをよく考える

こんにちは。

ここのところフォーレのノクターン2番の譜読みをしています。

その中で、ピアノの譜読みの上で、大切だと改めて思ったのが指遣いです。

 

もちろん、今までも考えていました。

でも、今まではまだ甘さがあった、ということに気がつきました。

きっかけは4月。

モーツァルトを弾いた時、最終段階までとても弾きにいと感じる部分がいくつか残ってしまいました。

そこをゆっくり練習していたのですが、その原因として指遣いが悪い、と思ったのです。

本番直前なので、弾きにくさを承知で指遣いはそのままにすることにしました。

 

それ以降、最初の段階の指遣いを今までよりももっと慎重に決めることにしました。

次のヘンデルのシャコンヌから実行。

バロックですが、特別な指遣いが必要な部分は多くはありません。

でも、試しに全部の音符に指遣いを書き込んでみました。

 

その結果、今までよりも一つ一つの音に気を配れるようになりました。

この奏法の場合には、手の使い方、特に重心の位置が指遣いによって大きく変わってきます。

また、私の場合、手が小さいので楽譜に書き込まれた指遣いでは間に合わないこともたくさんあります。

どうすれば弾きやすく、無駄なく手を使えるか?

最初の段階で、まとめてそこを考える時間をとったので、次の段階がとてもスムーズになりました。

 

フォーレはヘンデルよりも音がずっと複雑です。

やはり今、指遣いを全部の音に書き込んでいます。

時間があるときに、楽譜だけ見て書き込み、その後ピアノに向かって実際に弾きながら修正しています。

片手ずつ弾いているときと、両手で弾くときとでは、弾きやすい指遣いが違うこともあり、いろいろ試しながら決めていきます。

 

指遣い、単純な音型だったり、決まった形だったりすると、ついつい「何となく」弾きがちですが、一つ一つそこを確認することで、また今までとは違う感覚で曲に取り組めるようになりました。

2018.06.05

弾き方でピアノのピッチ(音の高さ)が変わる

こんにちは。

昨日は、御茶ノ水にレッスンに行ってきました。

発表会ではヘンデルのシャコンヌを弾くつもりですが、選曲の時に候補に挙げていただいたフォーレのノクターン2番も練習中。

昨日はそれをみていただきました。

 

時代的にもヘンデルとは全く違い、音も複雑。

しかも、私としてはあまり経験のないフランス音楽。

どう弾こうか?どんな音を出そうか?

いろいろ考え中です。

 

レッスンで一度弾いた後、ショパンのタッチの復習。

ここのところ、モーツァルト・ヘンデルと古典以前の作品のレッスンが続いていました。

鍵盤に対して縦方向に入れるタッチを中心にレッスンしていただいていたので、ショパンのタッチは、私の頭の中の引き出しでも奥のほうにしまいこまれていました。

「しまった!」という感じ。

イメージとともに、そのタッチを復活させ、もう一度弾いている途中のことです。

 

「こう、爪の方向にもっと力を逃がしてみて。そうするとこういう音が出るから。もっと立ち上がりの良い音。」

先生が弾いてくださいました。

確かに、立ち上がりの良い、フランス音楽らしい音色。

弾いていただいて、そのイメージで自分で弾いてみると…。

驚いたことに明らかにピッチ(音の高さ)が上がりました!

もちろん、弾き方でピッチが変わることは知っていました。

今までもレッスン中に「そこはソ♭ではなくてファ♯の音。」と言われて高めにしようと意識して弾くこともありましたが、今回は意識せず、しかもかなり上がったので、びっくり。

その分、よけいに明るい、フランス音楽に合う音色に感じられました。

 

このショパンのタッチベースに、縦方向に弾いていくタッチや今までに学んだ他のタッチをまじえ、どんな音色をどこに使って、どう弾いていくか。

この奏法ならではの音色・響きの変化を曲の中に生かしていく魅力。

研究のしがいがあって、また楽しくなりました。

 

2018.06.04

完成形をイメージする

こんにちは。

ピアノは、お家で練習してくることを前提にレッスンをしています。

ある程度それが習慣になっていけば、必ず上達していきます。

 

練習についての一つのポイントは、いつやるか?

これは、1日の生活時間の中で「ここはピアノの時間」と決めていくことが大切です。

まず、「ピアノの練習は毎日する」と決めます。

そのためにどうしていくか、という考え方をしていきます。

「時間があったら…」と考えると、時間は意外になくなってしまうものなのですよね。

 

学校から帰って遊びに行く前に、練習する。

おやつを食べた後練習する。

お夕飯の前に練習する。

習慣を確実に作っていくためには、今既にある習慣(例えば遊びに行く、おやつ、お夕飯)の前後に入れると良いです。

 

もう一つのポイントはどうやるか?

これはさらにいろいろな要素があります。

その中に、完成形のイメージを持つ、ということがあります。

レッスンのときには、練習が自分でできるように、右手と左手の譜読みは生徒さんと一緒にしています。

うれしいことに、階名を読んで片手ずつ鍵盤を弾くことは、多くの生徒さんが出来るようになっています。

ただ、いきなり両手を合わせるのは、その段階では難しい場合が多いです。

 

そこで完成形のイメージをつかんでもらうために生徒さんが右手・私が左手を弾いて合わせてみます。

交替して生徒さんが左手・私が右手。

私が弾いてみせて、イメージをつかんでもらうこともあります。

レッスン中にその完成形がつかめると、それに近づけるように練習することができます。

 

毎日少しずつでも練習をしていく。

ぜひその時間を作って、上達する・進歩することのうれしさを味わってもらいたいと思っています。