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ピアノで「勝負」ーゲーム感覚で練習回数を増やす

こんにちは。

男の子は、勝負が大好き。

中学生でもそうでしたね。何かにつけて生徒同士でも「勝負」していました。

 

先日のレッスンの時、だんだん飽きてきたようすがちょっと見えたので、「先生と勝負しよう!」というと「え?」という感じ。

「うずまきめだまに なっちゃった」を弾いていたのですが、左手を弾いているときには、右手が、右手を弾いているときには左手が、鍵盤から離れてしまうので、右左の連続がうまくいかないのです。

テンポにのって弾くことができません。

その練習をしたいと思って、何回かくり返したかったのですが、単調にくり返していても面白くありません。

そこで、「勝負」。

 

最初にお手本を弾きます。

一緒に階名で歌います。

もうそれは今までもやっているので、とても上手。

「今みたいに右手と左手がつながって弾けたら、○○くんの勝ちね。つながらなかったら、先生の勝ち。」

ということで始めました。

 

最初は、今までの習慣で手が鍵盤から離れてしまいます。

そうすると、リズム通りに弾くことができません。

負けが続きます。

「もう一回」「もう一回」とやっているうちに、だんだんと両方の手を鍵盤の上に置くように意識が変わってきました

 

5回めくらいでしょうか。

「○○くんの勝ち!」

とってもうれしそうです。

「もう一回やる。」

残念ながら次は負け。

「もう一回…。」ということで、あっと言う間に10回くらい、集中して練習することができました。

だんだん勝ちが増えてきて、最後の「勝負」は勝ちでしめくくれたので、楽しそうでした。

「また次もやる?」と聞かれたので、「うん、やろうね。」と答えると、にこにこしていました。

 

同じことをするのでも、ちょっとゲーム感覚にすると、楽しくできます。

そういえば、息子が小さい頃、雨の日に洗濯物をたたむのをゲームにしたことがありました。

私が2階まで階段を上って1つたたんで下りてくる。

バトンタッチして、今度は息子。

何と言うこともありませんが、洗濯物もたためたし、身体も少しは動かせたし、楽しくなりました。

ふと、そんなことも思い出しながら、「勝負」を楽しんだレッスンでした。

ブランクが長い方のピアノレッスン

こんにちは。

かつてピアノを習っていても、ブランクがあると思うようにはなかなか弾けません。

いくつかポイントを押さえることで、少しは弾きやすくなっていきます。

 

「久しぶりにピアノを弾くことになったんだけど、思うように指が動かなくて、困っている。見てもらえない?」と知り合いに頼まれました。

子どもの頃には、ピアノを習っていて、学校の伴奏なども弾いていたので、その当時はかなり弾けていたのですが、ブランクが長い。

来てから、まず、一度弾いてもらいました。

昔のピアノ教育ですから、当然「しっかり」弾いています。

今も、家では電子ピアノで練習しているとのこと。

これも「しっかり」弾くことにつながります。

力が入ると、指はよけいに動きにくくなります。

 

「ここのピアノ、すごく音が大きい。」とびっくりしていましたが、それも「しっかり」弾いていたからよけいそうなのです。

まず、「できるだけ力をぬきましょう。」ということで、手首を上げ、力を抜く練習をしました。

「省エネで、今までの1/3の力で弾くつもりで。そうすると指も動かしやすくなります。」

これで少し指の運びがスムーズになりました。

 

「目と、指がつながらない。」とも言っていました。

楽譜を読み、ピアノを演奏する時に、目でみている音をその瞬間に指で弾くことはできません。

必ず少し先の音符を見て、手の動きのほうが後からついていくことになります。

ブランクがあると、この感覚が変わっていくのですね。

少しでも戻すためには、ある程度の回数を弾くことが必要です。

長い部分をくり返していたので、4小節をひとまとまりとしてとらえること、練習も4小節を単位としてすると良いことをお話ししました。

 

同時に、「目と手がつながる速さから練習すること」

これも大切なことです。

聴いていると、止まるところはだいたい決まっています。

そこで止まって弾き直すと、「止まって弾き直す」ことも一緒に脳内にインプットされてしまいます。

ですから、「ゆっくりでも止まらずに通して弾ける」ということから徐々にテンポを上げていく方が結果的に上達は速くなります。

 

「昔、100メートルを16秒で走れたから、と言っても、40年後に走れるわけないものね。でも、自分の中のイメージは16秒なのよね。」

わかります、それ。本当にその通りです。

楽譜→目→指の流れをスムーズになるためには、脳内のワーキングメモリが関係することが分かっています。

すぐには元に戻らないかもしれませんが、練習しているうちにだんだんと変わっていきます。

「分かった。できるだけ、回数を増やして練習してみる。」と言って帰っていきました。

ぜひぜひ楽しみながら、練習してもらえれば、と思います。

鍵盤の底に指が届くように意識する

こんにちは。

小さいお子さんの場合、手も小さく、指の力も弱いので、どの方向に向かって指を下ろしていく意識をもつか、というのが意外に大切になってきます。

同時に、指のトレーニングをたくさん行っていくと、スムーズに動かせるようになっていく、という実感も持っています。

1人1人、指の動かし方にも特徴があるので、そのお子さんに合わせて「どこを意識して」の「どこ」の部分も変わっていきます。

 

私の教室では、生徒さんには「ピアノの音が出る仕組み」を知ってもらいます。

鍵盤の中はひきだせないのですが、鍵盤を弾くと、下からハンマーが上がり、弦をたたく部分は見てもらっています。

「電気ではないのよ。」というと、電子ピアノの生徒さんはびっくりしています。

ですから、鍵盤を弾くことと音が出ることには関係があること、弾き方によって音が変わってくることは知っています。

 

Aちゃんはとても練習熱心。一生懸命練習しています。

前回のレッスンで、お母さまが「スタッカートのところが速くなってしまいます。」とレッスンノートに書いていました。

聞かせてもらうと、確かに、速くなっています。

原因は、指が鍵盤の底まで届かなかったこと。

そこで、鍵盤の奥のほう、斜め下に指を下ろすイメージで弾くように言いました。

何回か練習して、鍵盤の底まで指が届くことを確認してから、曲のスタッカートの部分を弾いてもらうと、今度は一定の速さで弾けるようになりました。

 

Bちゃんも、練習時間がどんどん増えて頑張っています。

今の曲はfとpがあって、pになるとそーっと押さえているので、音が鳴らなくなってしまいました。

指を寝かせ気味にしているので、そーっと弾くと鍵盤の底にさわらない状態になっています。

そこで、上から下に向けて指を動かす練習をしました。

指の先で真上から真下へ。

何回か練習して、コツがつかめてきました。

それで、pの部分を弾いてもらうと、今度は、弱い音がきちんと出るようになりました。

 

小さい手で一生懸命練習している生徒さんたち。

ますますピアノが楽しくなるように、表現力が豊かになるように、と願いながらレッスンしています。

2018.10.06

指遣いを決めていく時に意識すること

こんにちは。

ピアノを弾く場合に、指遣いを決めてから練習することは、とても大切で、今までも何回かお話ししてきました。

その中で、「他の場面にも応用できる指遣いをできるだけ考える」ということも大切だと感じましたので、今日は、そのことについて書きます。

 

たとえば、ドミソという和音があります。

一番基本の最初に勉強するのが、ドを1の指番号の親指で、レを2の人差し指で、ミを3の中指で…と弾くポジションです。

ですから、右手でドミソの和音を弾く時に135、つまり親指、中指、小指で弾く。

これが大原則です。特に初心者のうちはそうですね。

 

このパターンがいくつかあって、それをつかうとやはり、スムーズであることが多いのです。

ハ長調でよく使う和音を例にとってみます。

まず右手の場合。

135、親指、中指、小指で弾く和音は、ドミソのほかに、ドファラ、レソシ。

また、125、親指、人差し指、小指で弾く和音もあります。

例えばシレソ、ミソドがこれにあたります。

 

伴奏で和音をよく弾く、左手の場合。

右手と少し違う時もあります。和音は低いほうから音を言うので、指遣いも低いほうから書いていきます。

531、つまり小指、中指、親指で弾くのがドミソ、シレソ、ミソド。

521、小指、人差し指、親指で弾くのが、ドファラ。

これが分かっていると、比較的シンプルな曲の場合、特に伴奏の部分は、指遣いが自然に決まってくる場合が多いのです。

特に、保育士さんのように、コードだけ書いてあって伴奏づけをする機会が多い方は、このあたりをしっかり身につけておくと、指が自然に動いて楽に弾けるようになります。

 

音階についても、同じようなことがありますので、これはまた別の機会に書いていこうと思います。

弾きたい曲にチャレンジしてピアノを楽しむ

こんにちは。

ピアノを続けていく上で、「これが弾きたい!」と思う曲にチャレンジできている、ということもとても励みになることです。

 

大人の女性の生徒さん。

お仕事も、家事もあり、とてもお忙しくしている。

でも、ピアノを弾きたいとチャレンジを始めて、ここで1年になります。

生活の中に、ピアノの練習の位置づけがしっかりできてきました。

先日のレッスンの時も「毎日練習してきたんです。」とおっしゃっていました。

その前のレッスンの時、テンポのことを話し、ここではメトロノームを使いました。

すると「メトロノーム、買ったんです。」とチューナーもついたメトロノームを見せてくれました。

 

今、クリスマス会に向けて、ベートーヴェンの「悲愴」第2楽章をハ長調にアレンジしたものを練習中です。

この曲も「私、これを弾いてみたいんですけど…。」とご本人がおっしゃったもの。

難しい部分もありますが、とても意欲的に取り組んでいらっしゃいます。

右手と左手のそれぞれを聴かせてもらいましたが、とてもスムーズに弾けるようになっていました。

せっかく買ったメトロノームですので、テンポを設定して拍子を意識して練習もしました。

 

いよいよ両手です。前回も前半8小節はレッスンで合わせてみました。

ゆっくり。音符を追う目と、手がついていける速さからです。

4分音符で動きのあるところは、難しいと思っていたら、さっと弾けるようになりました。

これは、片手ずつの練習の時、右手の動く1小節をたくさん練習したからなのですね。

やはり、練習の成果が出ています。

 

むしろ、その後の音をさがすのが、大変そうでした。

1小節を取り出して練習していたので、その後のつながりが意識できにくくなっていました。

そこで、動きのある音型の最後の音と、次の小節の最初の音だけの練習をしました。

ここからここへ動く。

これも、意識をそこに向けて集中して練習していくと、スムーズに流れるようになっていきます。

次に後の小節全体、次に2小節つなげて弾いていきます。

少しずつ、弾ける部分を拡大して練習していくと、前半8小節がスムーズに繋がるようになりました。

 

大人の場合、特に「気に入った曲で練習出来ること」「少しずつできる部分を広げていくこと」、これを意識していくと楽しさが違うので、上達も違ってきます。

せっかくのピアノですから、ぜひ楽しく弾いてほしい、そしてその中で上達してほしい、そう願っています。

「家でもまたやってきます」と言って帰っていかれました。

次も楽しみです。

2018.10.04

1曲にじっくり取り組むことのメリット

こんにちは。

生徒さん達は、クリスマス会に向けて、曲にじっくり取り組んでいます。

そこから、1つの曲に長い時間をかけていくことのメリットが見えてきました。今日は、そのことについて書きますね。

 

今回は、ほとんどの生徒さんが「人生初ステージ」。

ですから、それが「楽しい」「やって良かった」という成功体験に終わるかどうかを優先して、選曲も、余裕を持たせています。

今、実際に弾き始めて1カ月。ある程度弾けてきたという段階です。

いつものレッスンだったら、そこで○をもらって、次の曲へ。

でも、クリスマス会に向けての曲は違います。

細かい部分を仕上げていきます。

 

例えば、曲のイメージ作り

「どんな感じで弾きたいか?」曲全体のイメージを頭の中に思い描くこと。

「こいぬのマーチは子犬をかわいがるやさしい感じに弾きたい。」などはそれに当たります。

もう少し長いピアノ曲になると、お話ができるかもしれません。

部分部分で、この部分はこういう感じで弾きたい。

「ジングルベル変奏曲」で「最後の部分は、サンタさんのそりの鈴がだんだん遠くなっていく感じ」で弾きたい、などですね。

「悲愴」の2楽章ハ長調編曲版に取り組んでいる大人の生徒さんも、ソ→ド♯の部分を「ここが何とも言えない美しさですよね。」と味わいながら弾いています。

それを「感じる」ということもとても大切な勉強ですし、「どう表現していこうか」と考えることも、とてもよい勉強になります。

 

また、同時に音色や手の使い方について細かくお話する機会がもちやすくなります。

「やさしい感じ」に弾きたいとしたら、「やさしい音を出すには?」ということを練習していくきっかけになります。

電子ピアノの生徒さんが多いので、どうしても、タッチは深めになる傾向があります。

そこをできるだけ浅い部分で、しかも底に触れるには…ということをレッスン室のグランドピアノで体感してもらいたいので、今回のように1つの曲に時間を割くことができるのは、良いチャンスです。

同時に、「しっかり聴く」ことの練習もできます。

今、自分はどんな音を出しているのか。「弾く」ことに意識を置かず、出ている「音」「響き」に意識をもっていく。

これも、ある程度弾くことに余裕が出てくるとできるようになっていきます。

 

1つの曲をじっくり弾くことで、見えてくるもの。

「音楽の本質」につながるものがたくさんあります。

ぜひ、それを味わっていけるように、レッスンしていきます。

ピアノを弾く時、脱力すると動きが滑らかになります

こんにちは。

ピアノを弾くとき、特に大人になってから始めた方は力が入りがちです。

でも、力が抜けると動きがとても楽に、滑らかになるのです。

 

保育士の生徒さん。

カレンダーマーチ、だんだん上手になってきました。

先日のレッスンでは、左手の動きが難しいところを部分練習。

右手はメロディーで、だいたいスムーズに弾けるようになっていますが、繰り返し前の最後の部分が難しいようでした。

では、ということで、その1小節も部分練習をしました。

 

何回かやるうちに、できたので、「大丈夫でしょう。」というと、

「最初からやると忘れてしまうので…」ということなので、最初からも練習しました。

私も一緒に弾いていて、全く問題なくひけたので、

「今度こそ大丈夫でしょう。」と言うと、

「1人だと難しいかも。」

それでは、と1人で弾いてもらうと、確かに弾けているのですが、とても力が入っているのです。

 

力が入っていると、手の動きは固くなってしまいます。

「力が入ってしまいますね。」

「そうなんですよ。なんか弾きにくくなってしまって…。」

では、ということで腕の力を抜く練習をしてみました。

 

手首の下に私が手を入れて、「力抜いて下さいね。」

「あ、これとても難しいかも…。」

確かになかなか抜けません。

力が抜けると手首の下に置いてある私の手を離したとき、生徒さんの手が下に落ちるはずなのですが、私が手を離してもそのままの状態です。

「これ、力を抜く練習をすると、スムーズに動くようになりますよ。」

 

「先生と弾くと、どうして弾けるんでしょうね。」

「たぶん、私の音が聞こえるので、安心していることと、私の手の動きを目が追って同じように脱力できるのかもしれませんね。」

「これ、今までで一番難しかったかもしれません。」

「少しずつやっていくと、慣れていきます。」

 

ひじ、手首、手。力が抜けると驚くほど弾きやすく滑らかに弾けるようになります。

でも、抜けている状態を1人で確かめることは難しいかもしれません。実際に体感してみることでイメージがつかみやすくなります。

時々、意識して脱力の練習もしてみてくださいね、ということでレッスンを終わりました。

響きの違いを知っていくー「響きを聴き取ろう」という気持ちが大切です

こんにちは。

響きの違いを知るためには、耳の訓練が欠かせません。

目に見えない「響き」を聴き分けるのですから、なかなか分かりにくく思うのですが、「響きを聴き取ろう」とする気持ちがとても大切であり、その意識を持ってしっかり聴いていくと必ず分かってきます。

 

先日からレッスンにいらっしゃることになった中学校2年生の生徒さん。

とても理解力が高く、いろいろな知識も豊富です。

基礎にあるのは、好奇心や細かいことに注意を向けようとする力だな、と感心しています。

いろいろ考えたのですが、当面は「ピアノランド」を使って、必要に応じて間を飛ばすことも視野に入れながらレッスンしていくことにしました。

 

前回は、体験レッスンでは、一番コントロールしやすい中指、3の指を使っていたのですが、テキストにあるとおりに1の指でドを弾くところから始めます。

親指は他の指と向かい合うようについています。

物を握るときに使うためですね。

それをほぼそのままの形でピアノの上にのせて使います。

 

これがなかなか難しい。

私も、奏法を変えた時、一番難しく感じたのがこの親指の向きと使い方でした。

どうしても下がってしまいがちでした。

でも、「日常生活で使っている向きそのままで良いんだ!」と分かり、それを理解できたところから親指の使い方がだいぶ進歩しました。

 

説明をして、ピアノに向かってもらいます。

親指で一音。

なかなか良い音です。

「どどどど どーなつ」を弾いてもらいます。

音符は単純なので、すぐできます。

ただ、音が続くので、だんだん力がはいってきました。

鍵盤の底に指がついたらすぐに力を抜くことを話しました。

 

今度はどうかな?

その時の音を「さっきと違うのがわかる?」と聞くと

「少し。」

そうなんです。

下に押しつけている音と、力が抜けている音は違うんですね。

「少し」でも違いを聴き分けることが大切であり、そのために「聴き分けようとする気持ち」がとても大切なのです。

 

今回は、親指、人差し指のところまでレッスンしました。

少しずつ使える指を増やしていきます。

同時に、大切な響きを聴き分ける耳の訓練もしていきます。

「1年生だもん。」自覚が成長を促します

こんにちは。

先日のレッスンで、小学校1年生の生徒さんの成長ぶりを感じた出来事がありました。

 

入ってきて、第一声が、「今日はお母さん、来ないの。車の中にいるって。」

少し遠くからいらっしゃっているので、いつもはレッスン室の中に入ってレッスンを見ていらっしゃいます。

「そう。どうして?」

「わからない。でももう大丈夫、って言ったの。」

(帰りに車の中のお母さまとお話ししたところ、風邪をひいていたから、とのことでした。)

「そうよね。お兄さんだものね。」

「うん、1年生だもん。」

ということでレッスン開始。

 

クリスマス会の曲「うずまき目玉になっちゃった」を始めます。

リズムがちょっと違うので、

「一緒にうたおうか。」ということで、階名で歌いました。

「じゃあ、今度は今の歌と同じに聞こえるように弾いてみよう。」

ということで練習。

だんだん上手に弾けるようになってきました。

 

「○○くん、お家で何回練習できる?」

「3回。」

「じゃあ、お約束ね。」

「はい。」

お返事も、いつもは「うん。」が多いのですが、今日は最初から「はい。」です。

 

「じゃ、次、かえるのがっしょう」をやろうね。

前半8小節の練習をします。

これはよく知っている歌なので、譜読みはスムーズ。

「かえるのうたがきこえてくるよ」のところまで、なかなか好調に進みました。

「次からは、こっちを先にやりたい。」

「いいよ。で、これは何回練習してくる?」

「3回。」

「毎日できる?」

「できる。今、おねえちゃんが練習している。」

 

そうなのです。

お姉さんがクリスマス会の連弾でパートナーを引き受けてくれました。

それと同時に、大学のサークル活動の関係で、ピアノを2曲弾きたいということで、2カ月限定でレッスンに来ることになりました。

もう、2回レッスンをしたのですが、とても頑張って練習している様子。

どうやら、お姉さんが毎日練習していることにも刺激を受けたようです。

 

今回のレッスンは、自分から「1年生だもん。」と言っただけあって、集中力もいつもよりずっとありました。

自覚の力は素晴らしいですね。

同時に成長ぶりも感じました。

お母さまに伺ったところ、「クリスマス会でちゃんと弾こうね。」ということをお姉さんからも言われたようです。

サポートしてくれる周りの方々の協力も大きいですね。

また次回のレッスンも楽しみです。

譜読みの時は、パターンをつかんでいきましょう

こんにちは。

譜読みをするときに、パターンをつかんでいくと、効率的に読めるようになります。

 

昨日のレッスンで、小学校6年生の生徒さんが、合唱曲を持ってきました。

オーディションがあるので、取り組みたいとのこと。

貼りあわせてある楽譜を広げたら、長い。

さらに繰り返しもあります。

 

「全部で5分以上になるみたいです。」

それは小学生の合唱曲としては、確かに長いですね。

「それに、前半が♯1つで、後半に♭が4つもあるんですよ。つい後半なのにファに♯をつけたくなってしまって…。」

ちょっと大変そうでした。

まだ、楽譜をもらってから数日なので、あまり譜読みが進んでいないとのことでしたが、とにかくできるところまで、ということで聞かせてもらいました。

 

楽譜を見ながら聞かせてもらうと、確かに長いものの、同じパターンの繰り返しがたくさんあります。

全く同じフレーズがくり返されている部分。

「この段とこの段は同じでしょう。こっちとこっちがまた同じでしょう。」

「あ、本当だ。」

 

同じ音型の繰り返しがありました。

「ドを弾いて半音上がってオクターブ下、レを弾いて半音上がってオクターブ下、このパターンの繰り返し。リズムも全部同じ。」

「あ、そうだ。」

ということで、繰り返しのパターンをたくさん見つけていくことで「長くて大変。」がだいぶ軽減されたようです。

同時に、特に左手の場合、ここは1拍目と3拍目で1音ずつ下がっているパターン、というのもありました。

 

最初から一つずつ見ていくと、全部を読んでいく必要があります。

特に長い曲だと、それだけで「もう大変!」となりがち。

でも、曲全体を見て、この部分とこの部分は同じ、ということが分かってくると、これができれば後半に同じものが出てくるから…というように、見通しが持てるようになってきます。

「もう大変」がなくなるだけでも、気分的にずいぶん楽になります。

曲全体を見て、繰り返しのパターンを見つけてから練習する。

「分かりました。なんか、半分くらいになった気がします。」と言って帰っていきました。