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音符の名前と仕組みを理解する

こんにちは。

音符の名前が分かると、長さが分かります。

割り算と、漢字が理解できるようなる小学校高学年以上の生徒さんに説明すると、とてもよく分かるようになります。

 

2分音符、4分音符、8分音符。

どうしてこういう名前がついているのでしょうか?

実は、全音符から考えていくのです。

全音符は4拍です。

それを「2」つに「分」けるから、2分音符。

全音符4拍を2つに分けると、4÷2=1で2拍です。

 

4分音符も同じです。

全音符を4つに分けるから、4÷4で=1で1拍になります。

8分音符も全音符を8つに分けて4÷8=0.5

 

ピアノは、多くの場合、漢字も、算数の割り算もわからない小さいうちに始めます。

ですから、最初の段階では、4分音符が1拍、2分音符は2拍、と一つずつ覚えていくことになります。

8分音符は4分音符の半分。16分音符は8分音符の半分。

 

小さいうちはやむを得ないのですが、ある程度の学年になって、割り算が分かり、漢字も分かるようになると、全音符からの全体像が理解できるようになります。

全体像が理解できると、これとこれが組み合わさって1拍ということが、すぐ分かるようになり、リズムが取りやすくなるのです。

 

保育士の生徒さんに、図を書いて、全体像のお話をしました。

「中学校の音楽の時間に、どうしてこうなるんだろう?とずっと思っていたんですよ。テストを受けなくてはいけないでしょう。なんだかよく分からなかったので、『勘』で書いていました。なるほど、こういうことなのですね。よく分かりました。」と納得していました。

小学校6年生の生徒さんも、小さい頃からピアノを習っているので、4分音符は1拍、2分音符は2拍ということは、とてもよく分かっています。

でも、音符の足し算をやった時に、「あれ?どうなるんだろう?これとこれを足すと……」とだいぶ迷っていたので、この全体像を説明すると、「これとこれを足すと1拍、そういうことなんだ!」ととてもスムーズにできるようになりました。

 

音符に限らず、物事を学ぶ時、部分と全体の行き来をすることは、理解する上でとても大切なことだと考えています。

他にも、同じようなことがあるかもしれません。

私自身も意識していこうと思っています。

2018.11.01

「芸術の秋」を楽しんだ一日

こんにちは。

昨日は、以前から行きたいと思っていた「京都醍醐寺真言密教の宇宙展」と、葵の会会員でもある小菅泰雄さんが所属する「現代作曲家グループ『蒼』による新作書き下ろし演奏会」と2つ、行ってきました。

 

まずは、サントリー美術館へ。

私は、初めて行ったのですが、「東京ミッドタウン」というだけあって、とてもおしゃれな場所にありました。

とにかく行って良かった!の一言です。

もともと一番の目的は、チラシやチケットにも写真があった如意輪観音像。

如意輪観音像というのは、数がとても少なく、写真集などを見ても「如意輪観音といえば醍醐寺のこの仏さま」という感じでした。

ですから、ぜひ一度拝観したいと思っていたのです。

とにかく美しい。

6本手があるのですが、全体のバランスが良く、お顔も少し微笑んでいるようでもあり、角度によってまた表情が違って見えることもあり、とても魅力的な仏様でした。

 

他にも、たくさんすばらしい仏像がありました。

快慶作の不動明王坐像。

不動明王なので、忿怒相なのですが、どこか穏やかで、品があります。

醍醐寺に現存する仏像の中で最も古い、国宝の九世紀の虚空蔵菩薩立像。

彫りの切れ味の良さ、表情の凛とした感じが印象的。

 

国宝の五大尊像も魅力的です。

特に立っている金剛夜叉、降三世明王、軍荼利明王の動きのある姿が印象的です。十世紀の作なのだそう。

降三世明王が、人間を踏みつけていたのにも驚きました。

政治と密接につながっていた多くの記録、日記類が展示されていたことにも興味をひかれました。

室町時代の将軍をくじ引きで決めることを提案したことなどが日記に書かれているそうです。

 

早めの夕食にと、お麩と湯葉のあんかけ丼を美術館内のカフェでいただきました。

とても美しく、おいしく、「食欲の秋」も堪能。

 

その後、すみだトリフォニーホールへ。

小菅泰雄さんは、葵の会でもここのところ「現代能歌劇」ということで、お能の演目から台本もご自分でお書きになって発表しています。

昨日も世阿弥の長男である観世十郎元雅の「隅田川」から台本を作り、それをオペラにしていました。

日本語の語感と、日本的な音階が調和して美しく響きます。

昨日は、葵の会のときとは異なり、ピアノに加え、バイオリンとチェロも入っていたので、よりハーモニーに厚みが加わりました。

息子、梅若を人買いにさらわれ、それを追って旅をしている母、隅田川の船頭と旅人と登場人物は3人です。

船頭の話の中にあった、去年ここで亡くなった子供が探していた我が子と知って嘆く母の姿がとても悲しく、言葉と音楽でその悲しみを表現していました。

梅若の声をバイオリンで奏でていたのも印象的。

やはり弦楽器の音色は、人の声に近いですね。

 

お天気にも恵まれ、芸術の秋を楽しんだ一日でした。

 

2018.10.30

姿勢を意識する

こんにちは。

姿勢は大切だとここで改めて感じているので、それについて書いていきます。

 

私自身も、もともと学生の頃に、先生から「肘で支えている」と何度も指導されていました。

ただ、その感覚自体がよくつかめていなかったので、「ではどうしたらよいのか?」が分からず、自分なりに工夫をしてみたものの、思うようにいかなかったのです。

今のように動画が手軽に撮影できたわけではありませんので、客観視することが難しかったのも確かです。

音は、「きれいな音」とはいわれましたが、薄いというか、硬いというか、そんな音色だったのだろうと思います。

体格も小さく、手も小さいので音量もあまりありません。

「あなたのは、何を弾いてもモーツァルトの音。」

特に大学での最初の1年は、それを言われ続けていました。

 

先日、自分がレッスンに行ったとき、「効率的に腕の重みが使えている」とアシスタントの先生に言っていただいて、ようやく、長年の課題を一つクリアした感じがしました。

ずっと考えていたのですが、やはり難しさを感じていたその課題が、すっと自分の中でわかるようになったきっかけは、以前にも書きましたが、ポゴレリチの動画を見たことです。

それから、自分の軸を見直し、腕の使い方を見直しました。

手軽に動画が撮影できるようになったことも、とてもありがたいと感じました。

レッスンや練習を撮影して、すぐ見ることができますから。

 

同時に、骨格や筋肉のつながり方の図を見て、腕の仕組みについて勉強したことも役立ちました。

腕は肩甲骨から始まっていること。

それを意識するだけで、腕の長さの感覚が変わります。

それは同時に腕の重さの感覚も変わってくることにつながります。

それを腕の下側の筋肉で支えつつ、鍵盤に伝えていく。

 

ここに至るまでの試行錯誤の期間が長く、そしてさまざまに試してきたので、逆に生徒さんにはすぐ伝えることができます。

先日も、ある生徒さんの姿勢を変えることで、響きも音量もすぐ変わりました。

先生からは「もっと太ると、もっと良い音がでるんだけどね。腕の重みそのものも増えるし、支え方も変わってくるから。」とは言われますが、ちょっとそれは難しそうです。

腕の重みを増やすために筋トレはしているので、その成果が出ればうれしいな、とは思いますが。

 

弾く時の姿勢、音を出す上でとても大切です。

ぜひ、見直してみてください。

2018.10.29

息継ぎをする

こんにちは。

ピアノは、歌と違って、息継ぎをしなくても「弾く」ことは可能なのですが、やはり息継ぎは必要です。

 

幼稚園年長の生徒さん、とっても上手に「ジングルベル変奏曲」が弾けるようになりました。

ただテーマと変奏の間も、同じテンポで弾いてしまうので、ちょっと慌ただしい感じがしました。

途中で息継ぎをしてみよう、ということで息継ぎの練習をしました。

最初は、大きく息を吸ったので、音楽が止まってしまいました。

どう言ったら伝わるかな?

 

スイミングにも行っていると話していたので、水泳の息継ぎをいえば分かるかな、と思い

「パッと吸ってみよう。泳ぐ時の息継ぎみたいに。」と言ってみました。

(考えてみたら、行き始めてまだ日が浅いので、息継ぎして泳いでなかったかもしれません。)

何回か練習しているうちに、良いタイミングで息が吸えるようになってきました。

 

息を吸わない演奏だと、聞いている側がだんだん息苦しくなってしまいます。

一生懸命さは伝わってくるのですが、余裕というか、楽しさというか、そういうものが伝わってきにくくなるように思います。

大人の演奏でも時々、そういうことがあります。

人のことではなく、私自身も、特に若い頃の演奏はそうだったように思いますし、ピアノを再開した最初の頃、「ここで息を吸いましょう。」とレッスンで先生から言われた記憶があります。

弾いている側は夢中になってしまうので、そのことを忘れているのですね。

 

音楽を聞く人に届けるという意識を持つと、弾く時のとらえかたも変わってくるように思います。

ピアノを弾く時、ついつい自分の指だけに意識を持っていきがちになりますが、聞く人の位置や、演奏会場の空間に意識を置くと、演奏そのものにも余裕ができるようになります。

「弾けるようになってから、聞き手のことを……」と若い頃は考えていましたが、そうではないと感じるようになってきました。

どちらが先ということではなく、弾く指、弾くという意識を持ちつつ、聞き手・空間にも意識を向ける。

それを同時に考えていく、この感覚もまた、慣れなのかもしれません。

2018.10.28

「戦場のメリークリスマス」の音楽

こんにちは。

「戦場のメリークリスマス」について、ここのところ気になっているので、すこし書いてみようと思います。

 

レッスンでこの曲を持ってきた生徒さんがいるのですが、私は映画を見ていないので、少し周辺情報を集め始めたところです。

動画で見ることもできるようになっているので、ここ数日の間に、見てみようとも思っています。

映画の音楽ですから、映画そのもののイメージを知っておくことは曲を作っていく上でも必ず必要だと思うのです。

改めて、調べてみると1983年の公開。

昭和58年ですね。

確かに記憶をたどってみると、当時、ビートたけしや坂本龍一の出演がずいぶん話題になりました。

 

映画も好き、坂本龍一さんの音楽も好きな息子なら、何か知っているだろうと思って話題にしてみたら、案の定 、

「Youtubeに、坂本龍一さん本人の解説動画があるよ。」とのこと。

さっそく見てみました。

 

動画は冒頭部分の和音の解説でしたが、メロディーの中に使われている音の日本的・ガムラン的な東洋の響き。

同時に下を支える和音の西洋的な部分。

全体を通しての進行の意図。

ドビュッシー、ラヴェル、サティからの影響を含めて語っていました。

西洋的なものと日本的なものの違い、でも共通する人としての思い。舞台はバリ島ということで、音楽の中にそれらの要素が含まれているということがよく分かる解説でした。

 

いったん納得して、なるほどと思ったのですが、一方、坂本龍一さん御本人の言葉としてウィキペディアには次のような解説もありました。

映画自体のある種の非現実感から影響を受けて、西洋から見ても東洋から見ても“どこでもないどこか”、そして“いつでもない時間”をコンセプトに作られた

坂本自身は「西洋でも東洋でもない、他のなんでもない、わけのわからないもの」として“東洋+西洋”という単純な考え方自体を否定している

戦場のメリークリスマス (サウンドトラック) 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

いろいろ、読んでいるうちに逆に見えにくくなってしまった気もします。

やはり、映画をまず見ることが必要なようです。

その上で、曲の中の音楽を感じていく。

もともとが、「ピアノのための」曲ではないので(映画のサントラ盤ではシンセサイザーを使い、音程も微妙に違えていたり)、様々な要素が含まれています。

またピアノ曲を演奏するのとは違う感じ方、捉え方ができそうで、これはこれで楽しんでみようと考えています。

音楽に表情をつけていく

こんにちは。

音楽に表情をつけていく、その意識を持つことはとても大切です。

 

2ヶ月限定、集中ということで、レッスンにみえている大学生の生徒さん。

大学で映画を撮影するサークルに入っていて、「ピアノを弾くシーンがあるんだけど、誰かやって!」と頼まれて引き受けたとのこと。

中学1年生までピアノを習っていたとのことですが、その後は弾く機会がなく、ブランクがあります。

中学校で吹奏楽部に入り、クラリネットを吹いていたとのことで、読譜力はしっかりしていました。

 

曲はパッヘルベルの「カノン」です。

もともとピアノの曲ではないので、ピアノ用に編曲されたものは、難易度別に何種類かあるようです。

その中で、御自分が選んだ楽譜を持ってきました。

撮影に使うのは、16分音符の連続がある部分。

撮影後、年が明けてから4年生とのお別れ会があって、そこで弾きたいとのことで、全体を練習しています。

そのお別れ会の時には、もう一曲「戦場のメリークリスマス」を弾くので合計2曲。

とても努力家で、コツコツ家でも練習し、頑張っています。

 

撮影日がもうすぐということで、昨日は「カノン」、しかも撮影に使う部分を重点的にレッスンです。

音を出す、という意味の「弾くこと」はできているので、さらに美しく、音楽的にということを考えていきましょう、というお話をしました。

16分音符の部分は、細かく動きますが音型や和声の変化を感じ取っていくこと、それによって音量を変えたり、微妙な間を取ったりという工夫をしていきます。

原則として、上行音型はクレッシェンドを、下降音型はデクレッシェンドをつけること。

和音の進行によって、緊張感が変わることをお話しし、私も実際に弾いてみせました。

 

その後、自分でやってみる、自分の感覚で音楽を作っていく、ということをしてみました。

何回か弾いているうちに、しっくりきたのでしょう。

曲の印象がずいぶん変わり、音楽が生き生きしてきました。

吹奏楽での経験もありますから、そのあたり、つかむのが早かったのだと思います。

 

「弾く」と一言で言っても、さまざまな要素があります。

でも、大切なことは、「美しい」と思える音楽を作っていくこと。

その意識が、演奏を大きく変えていきます。

リズムだけ取り出して考える

こんにちは。

リズムを正しく弾いていくこと。

特に最初のうちは、難しく感じるかもしれません。

 

私自身もそうでした。

記憶に残る最初期の頃のレッスン風景。

アップライトのピアノで、もうお子さんが大きくなっていたので、もしかしたら、今の私と同じくらいだったのかもしれません。

とても優しい先生でした。

当時の私は、5歳。

「ちょうちょう」を弾いていたのですが、最後の部分、「とまれよあそべ」の部分が理解できず、何回もやり直しをしていました。

先生が「それでは『とまれよあそべべ』でしょう。」とおっしゃっていたことをはっきり覚えています。

ソミミミファレレーと最後のレを2部音符で弾くべきところ、ソミミミファレレレと弾いていたのでしょうね。

 

そうとう何回もやり直して、とうとうその時にはできなかったように思います。

私がピアノを始めたのが5月で、先生のところの発表会が6月。

たぶん、「ちょうちょう」が弾ければ、発表会に出られたけど……という話だったはずです。

結局弾けなかったので、発表会は翌年まで待つことになってしまったのでした。

 

やはり、今教えている生徒さんたちも、リズムが難しく感じている場合が見られます。

先日の中学生のレッスン。

シンコペーションがなかなかできずに、リズム打ちをたくさんやるうちに、できるようになりました。

私が1234と拍子を打ち、生徒さんが、リズム打ちをするのです。

1年生の生徒さんも、「お正月」に出てくる

         というリズムが難しくて、何回もリズム打ちをしました。

ターアータンタタ と口でも言ってみます。

場合によると、カスタネットを使ってみたり、タンバリンを使ってみたり……。

音が変わると、また印象が変わって、繰り返し練習しても「繰り返した」感が少なくなりますね。

変化をつけつつ、何回もというところでしょうか。

 

ドレミの音を確認しつつ、リズムも、となると難しいので、そういう時はリズムはリズムだけ、音の高さは音の高さだけ、と分解して練習していきます。

慣れの要素が大きいので、いろいろなリズムが出てきて、その都度練習していくと、みんなパターンを覚え、スムーズに弾けるようになっていきます。

指でミスタッチが分かるようになる

こんにちは。

ピアノを弾く時は、目→頭(脳)→指→耳がフル回転しています。

弾く経験を重ねていくうちに、このつながりがしっかりしてきます。

上の書き方ですと、一方向に流れているように感じられますが実際は違います。

目と脳、指と脳、耳と脳。

これらのつながりが複雑に絡み合って、使われている、という感じです。

 

大人の女性の生徒さん。

前回のレッスンでも、ずいぶん手の動きがスムーズになってきたと思いました。

今回、さらに家で練習してきた成果があって上手になっています。

1曲通して、ミスなく弾けることも出てきました。

間違うときもあるのですが、弾いた瞬間に「あ、これ違う。」と言うことが増えてきました。

 

以前でしたら、弾いて、出てきた音を聞く間があってから「あ、これ違う」だったのです。

今回は、「あ、違う」というタイミングが、とても早くなったので、詳しく伺ってみたところ、弾いた瞬間、指の感覚で「これ違う」ということが分かるようになったとのことでした。

これについては、以前読んだ「ピアニストの脳を科学する」という本に次のように書いてありました。

ピアニストの脳は、ミスすることを事前に察知し、意図しない音を鳴らそうとする指に対して、急ブレーキをかける指令を送ります。損結果、ミスは避けられないにしても、誤って鳴らしてしまう音の音量を弱め、ミスタッチが音楽に及ぼす影響をできるだけ減らす、という極めて巧みなことを、自動的にやっているわけです。

古屋晋一「ピアニストの脳を科学する」春秋社

以前、これを読んだ時には、なるほどそういうものか、で過ぎてしまいました。

今回、レッスンの時に生徒さんのお話を伺って、もちろんピアニストとレベルは違いますが、レッスンを重ねていくうちに、指で感じる、指と脳をすばやく結ぶ回路ができてくるのだということが分かりました。

 

人間の脳というのは、素晴らしいものだとつくづく思います。

訓練し、使うことで、どんどん成長していくのだということ。

そして、それは年齢には関係ないのだということ。

ピアノを通して、人の成長にかかわらせていただくことができる、ほんとうにうれしく思いました。

手と指の筋肉を鍛える

こんにちは。

指をコントロールする力も、年齢によって、また個人によって大きく変わってきます。

ですから、同じ年齢でも、すぐできる生徒さんと、少し時間のかかる生徒さんがいます。

それは、当然のことですし、継続して訓練することで、必ずできるようになります。

 

そのために使うものとして、お手玉があります。

大きなお手玉の中には、ポップコーンが250g入っています。

持つとずっしりしています。

これを左右の手で投げて受け止めたり、私と投げ合ったりもしたりします。

歌いながらやるので、リズム感もついてきますね。

身体でリズムを取りながら投げたり、受け取ったり。

自分で投げる強さをコントロールする必要があるので、細かい力加減が分かるようになってきます。

私とのお手玉のやり取りは、体験レッスンでもします。

小さいお子さんも、初めての場所でみんな緊張しているので、遊びの要素を取り入れた活動はホッとするのでしょうね。

笑顔で楽しむことが多いです。

 

次にお手玉をギューッとにぎってパッと話す。

握って離すという動きは、握力をつけるために使うもので、てのひらの内側の筋肉を発達させます。

ピアノを弾くときにも同じ筋肉を使うので、効果的です。

ゆっくり10回やろうね、ということで、家でもこれを練習することになっています。

 

最近は、さらに、指を付け根から曲げる体操も始めました。

手を向かい合わせにして、左右の同じ指を根元から曲げます。

指が90度曲がった状態で、左右の指先を合わせて「こんにちは」とします。

ピアノを弾く時に、意外に根元から指を曲げるという動きが難しいということを感じたので、取り入れることにしたのです。

これも、すぐできる生徒さんと、手首から曲がってしまう生徒さん、他の指もつられて曲がってしまう生徒さんといろいろです。

でも、やっていくうちに、ピアノを弾くときの指の使い方との関連がわかってきます。

 

こういう地道な練習は、継続する習慣が大切です。

でも、やればやっただけ、効果は必ず出るので、特に幼稚園・保育園~1年生くらいの生徒さんたちに「毎日やろうね」と言いながら、レッスンしています。

2018.10.22

ピアノを通して集中する習慣をつける

こんにちは。

一つのことに集中していく機会は、日常生活のなかでなかなかありません。

特に大人になると、何かをしながら、「さて次は……。」と考えがち。

ピアノを弾くことは、集中力を養うことにもなります。

 

大人の生徒さん。

前回のレッスンの時、「今週は、毎日弾けました」と言っていらっしゃいました。

聞かせていただくと、前よりもずっとスムーズにできるようになっていました。

ただ、時々止まってしまうこともあります。

「家ではできるんですけどね。」

 

お仕事の合間をぬっていらっしゃることもあります。

「雑念があると、止まるんですね。」とご自分でもおっしゃっていました。

確かに、その方は、レッスンの中盤以降、急に弾けるようになることがよくあります。

「集中してくると、弾けるようになります。」とのこと。

 

振り返ってみると、私自身、「手の使い方が……」「身体の使い方が……」ということを「考え」始めると、ミスをしがちです。

音楽に集中しているときのほうが、調子が良いのですね。

ピアノの仲間も同じようなことを言っていました。

「自分が弾くことや自分の音に集中している時と、何かを『考え』る時とでは、音楽が変わるよね。」

そんな話をしたこともあります。

 

一つの音を出して、指の感覚と音の質がどう変わるか、聞きながら練習をしていたときに、先生が「これをやっているときの脳の状態は瞑想と同じだそうですよ。」と言っていました。

一つの音に集中する。

確かに、その時に他のことは考えなくなります。

 

最近、「マインドフルネス」という言葉をよく聞きます。

グーグルなどのアメリカの大企業が「マインドフルネス瞑想」を取り入れたことで話題になりました。

「マインドフルネス瞑想」は、呼吸に意識を集中して、その他の雑念を考えないようにするトレーニングですが、ピアノの演奏もほんとうに似ています。

 

その時のその一音。

その時のそのフレーズ。

他のことは考えない。

毎日、ピアノの練習を通して「集中する」ことを学び、その習慣をつけていくと、他のことにもいろいろな影響がありそうです。