2019.07.25
ピアノは自分を成長させる
習い事は、多かれ少なかれ自分自身を成長させることにつながります。できなかったことができるようになった、ということは誰でもうれしいものです。
特に子どもさんにとってはそうでしょう。日々成長していく子どもさんたち。その中でも、ピアノを習うことは、日々の練習の成果をレッスンで確認することで、1週間毎に「できた」を実感でき、成長を実感できる場になります。
自分でこうしたい、と思うことが大切
弾く時に、誰でも弾き方の特徴があります。私の教室にいらっしゃる生徒さんでも、姿勢、手の使い方など、一人ひとり特徴があります。
時には、演奏する上で、マイナスになる弾き方になる場合もあります。やはり多いのが、指が伸びた状態で弾いていること。
その都度、「指を立てようね。」と言い、指の付け根から曲げるように、指の体操をしたり、教本に付箋を貼って、意識できるようにしたりしています。
やはり、指が伸びて手前に引っ張るように弾いている、小学校低学年の生徒さんがいました。
真下に力がかからないので、一生懸命弾いているのに、音が出ないこともあります。今までも、何回も言ってきたのですが、なかなか直りませんでした。
発表会も近くなり、その生徒さんも、練習をとても頑張っている様子。毎回、レッスンの終わりには、「何に気をつけて練習してくる?」と聞くのですが、「指を立てること。引っ張らないこと。」と2週連続で言っていました。
その部分に、自分自身が「気をつけよう」と思っていることがよく分かる言い方でした。
前回のレッスンでも、だいぶ良くなっているな、と思ったのですが、今回のレッスンでは、「指を立て」て「引っ張らずに」弾くことができるようになっていました。
自分で指を立てて弾こう、と思い、家でも気をつけて練習したきたことがよくわかりました。
自分の状態を見る力がついた
曲の途中、少し引っ張っていた部分があったので、「他は大丈夫なのに、どうしてここは元の弾き方になったのかな?」と聞いてみると「音が右手も左手も両方動くので、いそがしいからだと思います。」と原因も自分でわかっていました。
自分の状態を見ようとすること、そしてそれが実際に見られること。これも大切な力です。
自分自身が「ここに気をつける」と意識することで、「どうなっているのかな?」と、その部分に関心を持って確認しながら練習することができます。
今回の生徒さんの場合も、自覚することで自分の状態が見られるようになっていました。だからこそ、自分自身で気をつけることができるようになっていったのです。
できるという実感の積み重ね
自分で課題を自覚する→練習の時に自分の状態を見ることができて、改善していく→できるようになる→できるようになったことを確認して、次への意欲がわく
このサイクルが、人を成長させていきます。今回、「できるという実感」を持ったその生徒さん。
ピアノは家で練習することが必要だからこそ、「自律」する力がついていきます。そして「できるという実感の積み重ね」は自己肯定感につながっていきます。
ピアノを習うということは、ピアノそのものの上達だけではなく、人として成長していく力を養うことにもつながっています。