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オーディションにチャレンジすることの意味

昨日は、小学校の伴奏オーディションに向けて、最後のレッスンをしました。

小学校の伴奏のオーディションは、今までも、何か行事などでピアノ伴奏を弾く機会があるごとに行なわれてきました。今回は、卒業式の合唱の伴奏です。

コントロールできることに意識を向ける

その生徒さんは、今までも何回もチャレンジしてきました。選ばれて実際に伴奏したことも何度もありますし、残念な結果だったこともありました。

オーディションは、当然のことながら、「結果として選ばれる」ためにチャレンジします。そのために練習を重ねていきます。

でも、選ばれること「だけ」を目標にすると「選ばれなかった私」は否定されてしまった気持ちになります。

オーディションにチャレンジする時は、自分でコントロールできることとできないことに分けてとらえること、コントロールできることに意識を向けて最善を尽くすこと、をいつも言っています。

国際コンクールでさえ常に意見は分かれ、時には「あの人が1位でないのなら帰る」と審査員が怒って帰ってしまうこともあるくらい、演奏者を「選ぶ」ということは難しいもの。

それだけに、チャレンジするときは、その過程に最善をつくすこと、自分なりに納得できる演奏ができること、その部分に意識を向けるようにしていくことが大切なのです。

練習の過程で上達する部分に意識を向ける

最善を尽くそうと努力する中で、ピアノそのものも、上達していきます。一度本番を経験すると、ぐんと上達することは、よく言われます。

今回、オーディションを受ける生徒さんも、今まで何度もチャレンジする中で、読譜の力がつき、短期間で弾けるようになりました。

細かく和声の変化を感じ取って、表現していく力もついてきました。逆に、曲全体を大きくつかんで、表現していく力もついてきました。

これらは、オーディションという本番を何回も経験したからこそ、短期間で大きく進歩することができたのです。

あとは本番で自分の最善を尽くすだけ

昨日のレッスンで聞かせてもらったところ、前回のレッスン時から、だいぶ弾き込んだとのことで、さらに上手になっていました。

もともと細やかな感性をお持ちのお子さんなので、練習をしっかり重ねてとても美しく弾くことができていました。

メトロノームでのテンポの確認。体育館で弾くとのことなので、音を遠くに飛ばす意識とそのための身体の使い方の確認。

そして、本番前にチェックするべきポイントをいくつかアドバイスしました。

「もうここまでやってあるから、大丈夫。本番も上手に弾ける。結果は待つしかないからね。」と話すと、「はい。選ぶのは、先生たちですから。」と今までに何回も言っていることなので、そんな答えが返ってきました。

本番で、自分の納得にいく演奏ができることを信じて、教室からエールを送りつつ、報告を待つことにします。