ブログ

2018.10.29

息継ぎをする

こんにちは。

ピアノは、歌と違って、息継ぎをしなくても「弾く」ことは可能なのですが、やはり息継ぎは必要です。

 

幼稚園年長の生徒さん、とっても上手に「ジングルベル変奏曲」が弾けるようになりました。

ただテーマと変奏の間も、同じテンポで弾いてしまうので、ちょっと慌ただしい感じがしました。

途中で息継ぎをしてみよう、ということで息継ぎの練習をしました。

最初は、大きく息を吸ったので、音楽が止まってしまいました。

どう言ったら伝わるかな?

 

スイミングにも行っていると話していたので、水泳の息継ぎをいえば分かるかな、と思い

「パッと吸ってみよう。泳ぐ時の息継ぎみたいに。」と言ってみました。

(考えてみたら、行き始めてまだ日が浅いので、息継ぎして泳いでなかったかもしれません。)

何回か練習しているうちに、良いタイミングで息が吸えるようになってきました。

 

息を吸わない演奏だと、聞いている側がだんだん息苦しくなってしまいます。

一生懸命さは伝わってくるのですが、余裕というか、楽しさというか、そういうものが伝わってきにくくなるように思います。

大人の演奏でも時々、そういうことがあります。

人のことではなく、私自身も、特に若い頃の演奏はそうだったように思いますし、ピアノを再開した最初の頃、「ここで息を吸いましょう。」とレッスンで先生から言われた記憶があります。

弾いている側は夢中になってしまうので、そのことを忘れているのですね。

 

音楽を聞く人に届けるという意識を持つと、弾く時のとらえかたも変わってくるように思います。

ピアノを弾く時、ついつい自分の指だけに意識を持っていきがちになりますが、聞く人の位置や、演奏会場の空間に意識を置くと、演奏そのものにも余裕ができるようになります。

「弾けるようになってから、聞き手のことを……」と若い頃は考えていましたが、そうではないと感じるようになってきました。

どちらが先ということではなく、弾く指、弾くという意識を持ちつつ、聞き手・空間にも意識を向ける。

それを同時に考えていく、この感覚もまた、慣れなのかもしれません。