2018.06.29
「音を出す」ことと「音楽を作る」こと
こんにちは。
楽譜という書かれたものから音を出し、「音楽を作って」いく。
演奏するということは、そういうことですよね。
でも、自分自身をふり返ると、以前は「音を出す」ところに意識がいくことが多くて、「音楽にしていく」「音楽を作っていく」のは、その次の段階、という気持ちでいました。
奏法を変え、今の師匠に学ぶようになってから、それが大きく変わりました。
「音を出す」段階で、「どんな音?」「どういうイメージの響き?」と考える必要があるからです。
楽曲の形式、和声、音型、前後の関係、など様々な要素を考え、「音の種類」「響きの質」を自分なりに作っていきます。
フォーレのノクターン第2番でも、最後にまたロ長調に戻ったとき、主旋律になる部分はオクターブで弾いていきます。
内声もあります。
以前の私なら内声はうるさくならないように、と「音の大きさ」を考えて、それで終わっていました。
でも、今は、外側の響きは少し硬質で明るい響きの音、内声は柔らかい深めの音で弾きたい、と思います。
硬質な音を出すためには、手前から向こうに向けて力を抜きたい、柔らかめの音は向こうから手前に…。
一つの手でどうしていったらいいのかな?
いろいろ試行錯誤していきます。
響きの質を考えていくことで、音楽の幅がずっと広がっていきます。
同じ音型でも、まったく違った弾き方が出来るようになっていきます。
弾き分けられるようになり、表現出来ることが増えていく。
それはとても楽しいことです。
そんな楽しさを多くの人に知っていただけたら、と思っています。